ロボット事業に挑むジャバラメーカー【後編】/ナベルホールディングス永井規夫社長、永井杏奈取締役
「モノ」から「コト」へ
――ロボット関連の事業の今後の展望は? 永井取締役:わが社は19年から新しいコンセプト「E³(イーキューブ)」を掲げました。Environment(エンバイロンメント、環境)、Enhancement(エンハンスメント、改善)、Equipment(イクイップメント、装置)――の3つの単語の頭文字を取りました。例えば、労働環境の改善にはTMシリーズ、設置現場がロボットにとって厳しい環境であればロボットフレックスを提案するといったように、限定的な範囲ではありますが顧客の「環境」の改善に貢献したいと考えています。単なる「モノ」売りではなく「コト」売りで勝負します。それには顧客の課題やニーズをしっかりと聞き、それに合った製品を提案しなければなりません。結局のところ、やるべきことはこれまでと一緒で今後も変わりません。 永井社長:まだまだ始まったばかりの事業なのでいつ実現できるかは分かりませんが、ゆくゆくは全体の売上高の25%までに育てたいですね。
――顧客のニーズに応えることで信頼を獲得し、業績を底上げするのですね。最後に現状の課題を教えてください。 永井社長:一番の課題は人材の育成と採用です。工場の自動化(ファクトリーオートメーション、FA)に関する知識や、ロボットシステムの構築を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)としての知識に加え、人工知能をはじめとした最新技術など、これから勉強しなければならないことが山ほどあります。現在TMシリーズに携わる従業員は5人いますが、将来的には10人近くまで増員したい。そのリクルート活動の一環で、18年10月に名古屋市内に事務所を開設しました。本社がある三重県伊賀市は良いところですが、やはり都心部の方が人材を採用しやすいですからね。 ――どのような人材を求めますか? 永井社長:英語ができる人材です。台湾のテックマン・ロボットとのやり取りは英語ですから、英語で相手と意思疎通ができることが重要です。英語ができて、なおかつ志の高い人材に是非とも来てもらいたいですね。 ――ありがとうございました。
――終わり (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
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