[iREX2025リポートvol.14] 欧州や台湾勢がAI×自動化で存在感を発揮
「2025国際ロボット展(iREX2025)」では、欧州や台湾のメーカーも多数出展し、存在感を発揮した。人工知能(AI)を活用したデモシステムや、3Dシミュレーションソフトウエアを活用したオフラインティーチングといった提案は、次世代を見据えた技術として来場者の関心を集めた。
自律性や柔軟性に優れる
欧州や台湾のメーカーはAI技術を活用した自律性に優れるデモシステムや、ユーザーの自動化設備の導入を支援する3Dシミュレーションソフトを披露した。ロボット単体の性能にとどまらず、ロボットシステム全体の柔軟性や自律性を重視する姿勢が目立った。
台湾のハイウィン(日本法人:神戸市西区、林育志代表取締役副社長)は同社の直交ロボットやスカラロボットに、AI技術を使ったビジョンセンサーを組み合わせ、トレーへの対象物(ワーク)の移載とトレーの段積み、外観検査のデモシステムを披露した。
「家電や自動車、食品といったさまざまな業界に対してワンストップで提案できるのがわが社の強み」と林副社長は話す。
他にも、「AIヒト型ロボット関節高効率Solution(ソリューション)」として、同社の減速機やモーター、アクチュエーターを組み込んだヒューマノイド(ヒト型)ロボットの腕部を展示。10kgのダンベルを軽々と上げ下げする様子を披露した。
デンマークの協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボット(UR、日本支社=東京都港区、山根剛代表)は、AI技術を活用した自律性に優れるデモシステムで注目を集めた。
一つはギアの歯のかみ合いを調整しながら自動ではめ合わせるシステム。力覚センサーから得たデータをリアルタイムで処理することで、歯の当たり具合などを検知して最適な動作を自動生成する。スイスのAIベンチャーのAICA(アイカ)のソフトを使っており、AIが事前に学習した内容に基づいて動作を補正する。
もう一つは米国のAcumino(アキュミノ)製のデバイスを用いてティーチング(教示)するシステムで、手作業をロボットで再現できる。他にも1750mmの長いリーチと軽さを両立するURの協働ロボット「UR8 Long(ロング)」や、協働モードのままでも高速で稼働する「UR15」などをブースに並べた。
会期初日には会場内で記者会見を開き、URの親会社である米国テラダインでテラダインロボティクスグループプレジデントを務めるジャン=ピエール・ハサウト氏が「次世代のロボット技術には、周辺環境に柔軟に適応し、安全に複雑な作業を実行できる能力が求められる」と話した。
フィンランドに本社を置くソフト企業のVisual Components(ビジュアル・コンポネンツ)は、製造現場の自動化を支援する多彩なソリューションを提案した。中でも力を入れたのが、製造業向けの3Dシミュレーションソフト「ビジュアル・コンポネンツ」を使ったオフラインティーチングだ。
同ソフトは、仮想空間でシステムを高精度に試運転する「バーチャルコミッショニング」やオフラインティーチングなどを1つのプラットフォーム(基盤)で実現できる。これで、ユーザーは自動化設備を導入する前に仮想空間で検証して改良できるため、導入後のトラブルを最小限に抑えられる。
ビジュアル・コンポネンツのミッコ・ウルホCEOは「わが社は2025年1月に日本市場の開拓などを目的に日本法人(東京都港区)を設立した。今後は、日本においてビジュアル・コンポネンツを活用したオフラインティーチングの提案に力を入れる。ロボットのプログラミングを簡素化して導入のハードルを下げることで、日本の製造現場の人手不足を解消したい」と意気込む。
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