[特集2025国際ロボット展vol.10]ロボット架台で手軽な自動化を実現/SUS
FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)向けアルミフレームメーカーのSUSは「Lite Automation(ライト・オートメーション)」をテーマに、アルミフレームなどを活用した搬送システムやロボット架台、制御システムなどを「2025国際ロボット展(iREX2025)」で披露する。中でも目玉の一つが、垂直多関節ロボットやスカラロボット向けの標準架台「ZFロボスタンド」だ。ユニット開発グループプロファイル開発チームの井丸聡グループマネージャーは「ロボットの振動などで物理的に接合部の位置ずれがほぼ起きない構造とした」と話す。
鉄製架台と同剛性
SUSは「Lite Automation」をテーマに、アルミフレームなどを活用した搬送システムやロボット架台、制御システムなどをiREX2025で披露する。井丸グループマネージャーは「わが社のアルミフレームは使用環境や用途に応じて柔軟にカスタマイズできるため、手軽な自動化の実現に貢献できる」と話す。目玉の一つは、垂直多関節ロボットやスカラロボット向けの標準架台「ZFロボスタンド」だ。同社はこれまで、ファナックやスイスのABBといった大手ロボットメーカーの協働ロボットやパラレルリンクロボットなど、可搬質量が10kg程度までの各種ロボット向けの標準架台をラインアップしてきた。
新製品は剛性が高く、同20kgまでの各種ロボットの使用を想定しているという。井丸グループマネージャーは「一般的に知られているアルミフレームはボルトとナットで固定する『摩擦結合』という方法で接合する。しかし、この接合ではロボットの激しい振動で伝わる力が接合部の摩擦力を超えるとアルミフレームの位置ずれが起きる」と話す。この課題を解決したのが、SUSが2015年に発売した高剛性アルミ構造材「ZF」だ。従来の摩擦力による結合ではなく、アルミフレームをジョイントへ差し込んで固定する方式を採用した。この方式で、物理的に接合部の位置ずれがほぼ起きない構造とした。
ZFロボスタンドには、新たに開発した押し出し成形のスタンド型アルミフレームを搭載した。4つの爪を持つ専用のジョイントでフレーム同士を結合し、鉄製架台と同等の剛性を確保できた。「ZFで培った技術を基盤に、ロボットの振動にも耐えられる設計にした」と井丸グループマネージャーは話す。アルミ構造だからこそ、軽さと組み立てやすさを兼ね備える。現場への搬入が容易で、既設ラインへの追加や狭小スペースなど、従来は敷設が難しかった環境でも無理なく組み立てられる。

