2025.07.24
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中国オリオンスターと代理店契約し「シンプル・ロボタイゼーション」を拡充/常盤電機

吉野剛第2事業本部長とAMR「キャリーボット」

 ロボットシステムなどの工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)機器・システムや電源設備などを販売する常盤電機(兵庫県姫路市、常盤充社長)は、6月24日に中国の自律走行型搬送ロボット(AMR)メーカーOrionStar Robotics(オリオンスターロボティクス)との販売代理店契約を締結した。同社はこれまで協働ロボットや周辺機器のメーカーと代理店契約を交わしてきたが、AMRメーカーとは今回が初となる。


 常盤電機は製造業向けの自動化システムを提案することが多いため、工場や倉庫などに適した150kg可搬のAMR「CarryBot(キャリーボット)」を提案の中心に据える。レストランで稼働する配膳ロボットのような形状で、搬送物のサイズや数量に合わせて棚がないタイプと2枚の棚板があるタイプ、金属製ラックを積んだタイプの3種類から選べる。幅が650mmの通路でも走行可能なため、機械が所狭しと並ぶ工場のような狭所での運用がしやすい。

標準搭載の大型タッチディスプレーからタッチ操作で走路を設定できる

 「スマートフォンのような感覚で簡単に扱えるのがオリオンスターロボティクスのAMRの強み」とFA事業を統括する吉野剛第2事業本部長は言う。常盤電機は元々AMRを取り扱いたいと考えていたが、その障壁となったのが扱いやすさの問題だ。同社はFA事業のコンセプトとして「Simple Robotization(シンプル・ロボタイゼーション、以下SR)」を掲げる。SRにはロボットや周辺機器などをパズルのピースのように組み合わせ、自動化設備をシンプルに構築するとの意味を込めた。導入後もユーザーが自ら使いこなせるロボットシステムをこれまで販売してきた。


 オリオンスターロボティクスのAMRには大型タッチディスプレーが標準搭載されており、あらかじめインストールされたアプリケーションソフトウエアで各種設定ができる。例えば走路を設定したい場合には、専用のソフトを起動して画面に表示されたマップをタッチして線を引くだけで完了する。また、周辺のマッピングは専用のソフトを起動し、AMRを手押しで走らせるだけで完了する。 
 「オリオンスターロボティクスのAMRはユーザーによる設定変更や操作が容易で、SRの理念と合致する」と吉野本部長。「まずは製造現場での導入実績を増やしたい。物流現場でも人手不足の問題が顕著になっているため、今後は物流センターでの導入も目指す」と意気込む。


(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

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