ヒューマノイドを開発、人間の手作業を高精度に再現/DOBOT
中国のロボットメーカーDOBOT(ドゥーボット)は6月27日、名古屋市内で新製品発表会を開催した。協働ロボットの新機種やヒューマノイドロボット「Dobot Atom(アトム)」を初披露した。
アトムは同社が初めて開発した直立歩行型のヒューマノイドロボット。全高は165cmで本体質量は62kg。7軸アームの先端には5本指のハンドを備え、人間の関節の動きを再現できる。人工知能(AI)で動作を制御し、工具の使用や組み立てなど従来の協働ロボットでは難しかった作業も高精度にこなす。5cm程度の段差なら乗り越えられ、人に近い自然な歩き方で、ひざを曲げたまま歩く従来の歩行方法と比べて消費エネルギーを約42%削減した。
劉培超最高経営責任者(CEO)は「わが社は今までロボットの開発に約200億円を投資し、設立から約10年で8万台のロボットを販売してきた。昨年から、AIでロボットに人間の動きを模倣学習させる技術開発に着手し始め、ほぼ完成に近付いている」とあいさつした。
会場ではアトムの他、「CRAシリーズ」をベースに高度な力覚制御を追加した「CRAFシリーズ」、従来の「Nova(ノバ)2」の設置スペースを約40%削減できる「Nova2s」など多数の新製品を展示した。また、DOBOTの代理店による同社製品の導入事例紹介や、大阪大学の浅田稔名誉教授による講演も併せて開かれた。
DOBOTは製造業からサービス業の現場までさまざまな場面でアトムの活用を想定する。劉CEOは「日本のお客さまは品質やサービスに対する評価がシビアなため、重要視している市場の一つ。日本市場でのフィードバックを今後の製品開発に反映したい」と意気込みを語る。
(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)