2025.04.02
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「UVプリンター&ロボット」で推し活グッズの製造を自動化/エプソン販売

エプソン販売(東京都新宿区、栗林治夫社長)は3月24日、東京都港区のショールーム「エプソンクリエイティブスクエア赤坂」で、UVプリンターとロボットを組み合わせた自動化システムのコンセプトモデルを発表した。「UVプリンターはいわゆる『推し活グッズ』の製造で使われ、市場が伸びているが、印刷の現場は人手不足が大きな課題。この課題解決を目指し、まずは顧客の声を聞いてシステムをブラッシュアップしたい」と商業機器MD部C&I推進課の渡辺大智さんは意気込む。

アクキー、アクスタの製造で活躍

アクリル板などにキャラクターを印刷

 UVプリンターは紫外線(UV)で硬化するインクを使った印刷機だ。アクリル板などさまざまな対象物(ワーク)に印刷できる。  近年、アクリル板にキャラクターやタレントを印刷した「アクリルキーホルダー(アクキー)」や「アクリルスタンド(アクスタ)」の需要が増える。また、発泡板のスチレンボードで等身大パネルを作ることも多い。これらはいわゆる「推し活」のためのグッズで、推し活市場は近年急成長している。それに伴いUVプリンターの出荷台数も増加傾向にある。  UVプリンターではワークの交換を人手ですることが一般的だが、印刷の現場も人手不足が深刻だ。そこで、エプソンの製品であるUVプリンターとロボットを組み合わせ、ワークの自動交換を提案するコンセプトモデルを開発した。

 無人搬送車(AGV)の上に垂直多関節ロボット「VT6LDC」を搭載し、印刷前と印刷後のワーク置き場をそれぞれ設けた。VT6LDCはコントローラー一体型・直流電源仕様のロボットで、AGVのバッテリーの電力で駆動する。  デモでは、ロボットが大型プリンターの上にA4用紙サイズのワークを8枚配置。印刷後に回収する一連の流れを披露した。印刷の際にインクをUVで硬化させているため、直後に吸着して持ち上げても印刷面に影響はない。  ショールームの展示ではプリンターが1台だけだが、AGVで移動しながら複数台持ちでの運用も見据える。アーム先端にはカメラを搭載し、UVプリンター側のマークを認識してAGVの停止位置のずれを補正できる。  「このコンセプトモデルをまずは多くの人に見てもらいたいたい。顧客のニーズを収集してシステムをブラッシュアップし、今後の製品化を目指す」と渡辺大智さんは話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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