2025.09.08
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導入支援の“輪”を全国へ広げる【前編】/全国ロボット・地域連携ネットワーク 松元明弘主査

全国ロボット・地域連携ネットワーク(松元明弘主査、事務局:ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会内)が6月30日に設立された。ロボットの導入支援の取り組みを全国に広げるための組織で、地方自治体や各地域のロボット導入支援コンソーシアム(共同体)、機械振興協会、日本ロボットシステムインテグレータ協会などが参画する。同組織設立の背景や今後実施する取り組みはどんなものか。全体の取りまとめを担う松元主査(東洋大学教授)に話を聞いた。

各地域の導入支援の取り組みをサポート

6月30日の設立総会直後の記念写真(提供)

 ――まずはこのネットワークがどんなものか教えてください。

  われわれはこの組織を通称「RING(リング)プロジェクト」と呼んでいるのですが、その目的は各地域でのロボット導入支援の取り組みをサポートすることです。全国にはロボットの導入支援を積極的に行っている自治体や官民連携のコンソーシアムが既にいくつかあります。その取り組みをサポートするとともに、まだそういった体制がない地域の支援体制作りをサポートします。

――RINGプロジェクトが直接ユーザーを支援するのではなく、「自治体や各地域の支援団体」を通してロボットの導入を促進するわけですね。

 一部直接的なユーザー支援も可能性はありますが 、基本は各地域の支援の取り組みを下支えする形になります。最適な組織の形態や求められる取り組みは地域ごとに違うと思いますので、画一的なパターンを押し付けることはしません。他地域に先行して実績を積み重ねている先進地域のノウハウを共有し、全国の導入支援活動のレベルアップを図れればと考えています。新たに支援体制を構築する地域にとっては先進地域の取り組みが一つのベンチマークになり、先進地域同士もお互いのノウハウを学び合うことでさらに進化できると考えています。またロボット導入ではシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が重要な役割を担いますので、地域のSIerの協力は不可欠であり、密接に連携していきたいと考えています。

――RINGプロジェクトの“RING”の意味は?

 「ロボティクス&リージョナル・イニシアチブ・ネットワーキング・グループ」の頭文字ですが、ロボットの導入支援に取り組む各地域の“つながりの輪”を全国に広げたいとの思いも込めました。手前みそではありますが、なかなか良い名前ではないかと思っています。

――RINGプロジェクトが立ち上がった経緯を教えてください。

 最初に設立を呼び掛けたのは経済産業省で、2023年12月に構想が示されました。その後同省が地方自治体や各地のコンソーシアムに参画を呼びかけ、24年11月からは私もプロジェクトに加わりました。25年1月に初回の設立準備会合を開き、3月と6月にも会合を開いて、6月30日に設立総会を迎えることができました。 

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