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2023.10.25

イベント

ロボットやAIで高度な自動化、包装機械業界の最新提案/ジャパンパック2023

10月3日~6日、東京都江東区の東京ビッグサイトで包装機械業界の展示会「JAPAN PACK(ジャパンパック)2023」が開かれた。420社・団体が出展し、4日間で合計3万6338人が来場した。今回展では「未来の包程式―当たり前のその先へ―」をテーマに掲げ、包装機械業界の技術トレンドである自動化や省人化に焦点を当てた。会場ではロボットや人工知能(AI)を活用し、包装の前後工程も含めた自動化提案が目立った。

国を越え3団体で連携

初日に会場で「APAC」の創立を発表した

 日本包装機械工業会(会長・大森利夫大森機械工業社長)は10月3日~6日、包装機械の展示会ジャパンパック2023を開催した。
 初日の開会式で大森会長は「包装に関する、今とその先の技術トレンドが一堂に会する展示会で、新規ビジネス創出の場になれば」とあいさつした。

 また同日の午後、日本包装機械工業会と韓国包装機械工業会、台湾包装協会が合同で「APAC設立総会」を開いた。APACは3団体が連携し、アジア・東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の包装産業の発展に向け取り組むことを目的とする。

 韓国包装機械工業会のリー・シユン会長は「来年ソウルでも包装機械業界の展示会を開催する。3団体で人材や情報の交流を推進し、業界を盛り上げていきたい」と語った。続いて台湾包装協会のベンカー・リャオ会長は「あらゆる課題の解決に向けて、国境を越えた協力関係を築きたい」と意気込んだ。

変種変量生産を実現/大森機械工業

大森機械工業が出展したピック&プレースの自動化デモ

 今回展ではロボットや搬送装置、AIなどを活用し、包装の前後工程も含めた自動化提案が目立った。

 包装機械メーカーの大森機械工業(埼玉県越谷市、大森利夫社長)は、ピック&プレースの自動化デモを披露した。三菱電機の垂直多関節ロボットと、現在開発中のリニア搬送システム「リニアトラックシステム」を組み合わせた。

 コンベヤーの端部から落ちてくる製品をリニアトラック上の容器で受け取り、ロボットの前まで搬送。特殊なハンドでロボットが一度に4つの容器から製品を取り出し、別のコンベヤーに載せ替える。最初のコンベヤーからの受け取りと、ロボットが製品4個を一気に把持する際の間隔が異なるため、個別に動かせるリニアトラックならではのシステムだ。

 三菱電機営業部ロボット課の舟橋翔専任は「コンベヤーで1つずつ運ばれてきた製品を、4つ1セットにして搬送するデモシステム。リニアトラックシステムは搬送スピードの自由度が高く、変種変量生産に向く」と話す。

最適なロボットを選定/フジキカイ

フジキカイは包装用ロボット「FRシリーズ」を活用した自動化システムを披露

 包装機械メーカーのフジキカイ(名古屋市中村区、生田涌希社長)は、段ボール箱の組み立てから製品の投入、段ボール箱の封緘(ふうかん)までの自動化システムを披露した。
 システムには同社の包装用ロボット「FRシリーズ」を組み込んだ。ロボットアームの先端に重量計を搭載しており、製品の投入と同時に良否も判定する。

 営業本部営業部の水谷嘉孝次長は「2軸や3軸のロボットで自動化できる作業であれば、わが社のロボットを活用する。シンプルな構造で安価なため、コストを抑えたシステムを構築できる。だが内製にこだわるわけではなく、多軸のロボットが必要な場合には他社製品も使って自動化を提案する」と語る。

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