独立を機に3つの目標/日本ロボットシステムインテグレータ協会 久保田和雄会長
今年6月、日本ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)が設立された。ロボット工業会の内部組織であるFA・ロボットシステムインテグレータ協会が一般社団法人として独立した形だ。引き続き会長を務める久保田和雄三明機工社長に、独立の経緯や意義、今後の運営方針などについて聞いた。久保田会長が語る、3つの目標とは。
――― ――― ――― ――― ――― ―――
――設立の経緯を教えてください。
2018年7月に日本ロボット工業会の内部組織として立ち上げたのが、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の業界団体であるFA・ロボットシステムインテグレータ協会です。設立から5年が経ち、会員企業が増え規模が拡大したのを受け、今年6月1日に独立した一般社団法人として日本ロボットシステムインテグレータ協会を設立しました。
――協会名も少し変わりました。
議論がありましたが、頭の「FA」をなくしました。システムインテグレーション(SI)の中には、ファクトリーオートメーション(FA)だけでなく、もっと広い意味の自動化が含まれているとの考えです。「企業ごとの利害を超え、日本のSI能力を高める」という基本は今までと変わりません。
――一般社団法人となり、どのような変化がありましたか?
やはりスピード感が違います。今までは、例えば運営資金を使うにもロボット工業会での承認が必要でした。規則上それは仕方ないのですが、どうしてもひと手間かかります。今後は意思決定や判断のスピードが向上するので、いろいろな施策をタイムリーに打ち出していきたい。国の施策にも素早く広く関与していきたいですね。
――ロボット業界やSIer業界の状況は?
ロボットの稼働台数では、2016年に中国が日本を抜いて世界一です。今では日本の3倍近いロボットが稼働していますが、日本にはおよそ50年間にわたって培ってきたロボットシステム構築のノウハウがあります。このSI能力は、日本が得意とするすり合わせの技術を核としており、一朝一夕で真似ることはできません。今もなお、他国の一歩先を進み続けられる可能性のある業界です。
――独立、一般社団法人化はかねてから目指していた?
18年の発足当時にも独立すべきとの意見があり、議論がありました。ただ、自分たちだけで運営するのは資金的にも人材的にも現実的に難しく、独立を希望するメンバーを説得してロボット工業会の軒先を借りることにしました。以来、ロボット工業会とはいろいろと助け合いながら運営してきましたが、いずれ独立したいという思いはありました。
同じ企業の記事
>>日本ロボット工業会から独立し、より機動的で専門的な活動を推進/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>設立総会を開催、SI検定の海外輸出を開始/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>歴代最多の32社が出展、名古屋市で新商品説明会/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>中級者向け「ロボットSIステップアップ講座」として2講座を新設/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>ロボットアイデア甲子園大阪大会が開催、学生たちが火花散らす/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>2024年度「ロボットSI基礎講座」の受け付けを開始/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>学生など若年層向けの検定やロボットセンター委員会を新設/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>[連載・RTJをもっと知ろう vol.4]【ウェブ限定】注目の展示をもっと紹介。同カテゴリーにも垣間見える多様性
>>今年度最初のSIer’s Dayを兵庫県で開催/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>ロボットの導入・運用をより簡単に、都内で複数の展示会が開催
>>大阪府、奈良県の学生たちがロボットの活用アイデアをぶつけあう/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>ロボットSIer向け商品説明会を2月に都内で開催/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>SIer向け商品説明会、画像認識の特設展示が盛況/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>副会長が5人体制に/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>SIer’s Dayが初の和歌山開催/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>7月下旬にウインクあいちで「ロボットFA関連商品説明会@名古屋」を開催/日本ロボットシステムインテグレータ協会
>>過去最多の48社が出展、名古屋で商品説明会/日本ロボットシステムインテグレータ協会