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2022.11.29

AI×双腕ロボットで粉をはかる作業を自動化/エクサウィザーズ、カワダロボティクス

エクサウィザーズ(東京都港区、石山洸社長)とカワダロボティクス(東京都台東区、川田忠裕社長)は11月21日、粉体秤量システム「exa Base(エクサベース)ロボティクス for NEXTAGE(フォー・ネクステージ)」を共同開発したと発表した。2本のアームで瓶のフタを開ける作業なども効率的にこなし、人と同等程度の作業速度を実現する。「さらさらの粉体から、きな粉のような固まりやすい物まで幅広く扱える」とエクサウィザーズRobot企画部の直野廉ビジネスディベロップメントリードは言う。

塩からきな粉まで

 エクサウィザーズは、人工知能(AI)事業を手掛けるベンチャー企業だ。3年以上前からAIを使った粉体秤量システムを研究開発する。一方のカワダロボティクスは、ロボットメーカーとして人型の双腕協働ロボット「ネクステージ」を製造する。両社の技術を組み合わせて開発したのが、「exa Baseロボティクス for NEXTAGE」だ。

すり切り棒による微調整で、精度の高い粉体秤量も可能

 2本のアームを使い、瓶などに入った粉を規定量だけ取り出し、別の容器に移し替える。薬さじですくってそのまま別容器に粉体を落とす場合の精度は±10%以内だが、すり切り棒を使って少しずつ粉体を落とすなどすれば、高精度な秤量も可能だ。研究室や品質検査工程での活用を想定する。

 瓶内の粉の体積や表面形状、重量などから、どの部分をどの程度すくえばよいかAIが割り出し、最適量を薬さじですくう。機械学習によりさまざまな粉体のパターンを学習しており、塩のようなさらさらした物から、きな粉のような固まりやすいものまで幅広く対応できる。

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