新型3Dカメラは、動きのある物体も確実に認識/IDS
ドイツの産業用カメラメーカーのIDSはこのほど、耐環境性に優れ、動きのある物体の認識に向く「Nion(ニオン)」を発売した。これまで同社が開発、販売してきた3Dカメラとは異なる認識方法を採用しており、動く物体の一場面を切り取って外形を把握できる。海外ではすでに空港や農場などで実績があり、日本の顧客にも3Dカメラの新たな選択肢として提案を強化する。
初のToF式カメラを発売
IDSが今年4月に発売した新型3DカメラのNionは、屋外のような直射日光下でも安定して対象物(ワーク)を認識できる。さらに回転するファンのインペラなど、動きのある物体の形状も捉えられる。同製品はToF(Time of Flight〈タイム・オブ・フライト〉の略)式を採用することで、こうした条件下での認識を実現する。
ToF式とは、光源から照射したレーザーが、ワークに反射して返ってくるまでの時間から距離を計算する方式を指す。レーザーの反射時間を直接測定するdToF式と、反射したレーザーの波のずれから間接的に距離を計算するiToF式の2つがあり、Nionは高精度なiToF式を採用する。iToF式は通常、太陽光に弱い欠点がある。だがNionは、特定の波長の光のみを認識する構造とすることでそのデメリットを克服しており、外乱光の影響を受けにくい。
加えて測定範囲全体を一度にまとめて読み取れるため、動く物体の一場面を切り取って3Dデータを構築できる。コンベヤー上を動くワークを認識し、ロボットアームが追従して拾い上げるなどの運用をすれば、製造現場の生産性を上げられる。
同社がToF式の3Dカメラを開発するのはNionが初めて。これまでは、2つのレンズで物体を立体的に認識するステレオビジョン方式の「Ensenso(エンセンソ)シリーズ」を展開してきた。IDSの日本法人アイ・ディー・エス(東京都港区、ヤン・ハートマン社長)の橘麻理エリアセールス・マネージャーは「Ensensoシリーズは解像度が高く、精密な作業の自動化に向くが、製造現場によってはオーバースペックになるケースもあった。Nionは、ワークの外形の把握に役立つエントリーモデルとして提案したい」と話す。

