[注目製品PickUp! vol.89]自動化を省スペースで/FNS「RK510」
FNS(神戸市西区、見島大介社長)は工作機械や工作機械向けロボットシステムを設計、開発する。同社のストッカー付きロボット架台「RK510」と協働ロボットを組み合わせることで、工作機械への加工対象物(ワーク)のローディングやアンローディングの自動化を実現する。ワークストッカーを架台の上に設けることで設置面積を抑え、小規模な製造現場でも導入しやすくした。
段取り替えを効率化
工作機械へのワークのローディングやアンローディングに対する自動化ニーズが高まっている。FNSは、ストッカー付きロボット架台「RK510」を協働ロボットと組み合わせて提案する。
同社はロボット架台「RD510」もラインアップするが、大きな違いがワークストッカーの有無だ。「RD510に加えてワークストッカーを用意するとなると、架台の隣に置く必要があり、スペースを取る。RK510は架台の上にワークストッカーを載せているため、スペース効率に優れる」と営業技術部の魚住嘉宏さんは語る。
ワークストッカーは左右両側に取り出し口があるため、例えばロボットが作業している間に、反対側から人の手でワークの積み替えができ、効率よく段取り替えができる。
使いやすさにもこだわり
ロボットを操作するソフトウエアの使いやすさにもこだわる。タブレット端末を使った直感的な操作でローディング対象のワークを簡単に変更できるようにした。
「タブレット端末の画面をタッチし、事前に登録したワークを選択するだけで、ローディング対象のワークを簡単に変えられる。ワークを頻繁に変える必要がある多品種少量生産の現場でも活躍しやすい」と言う。オプションのカメラを使えば、ワークが変わっても認識して対応できる。
現在、標準仕様では10kg可搬と20kg可搬の協働ロボットが搭載可能なタイプをラインアップする。将来的には30kg可搬の協働ロボットが搭載可能なタイプの追加を目指す。「可搬質量の大きさよりもリーチの長さを求めて、30kg可搬のロボットを要望する声が大型の機械を使う顧客から挙がっている」と魚住さん。「いずれは無人搬送車(AGV)とロボットを組み合わせた自動化システムも開発したい」と力を込める。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

