経営と現場のデータをつなぐ合弁会社設立、企業活動全体のデジタルツイン目指す/アクセンチュア、Mujin
それぞれが強い分野をつなぐ
アクセンチュアとMujinの合弁会社AAAは1月15日に事業を開始した。AAAの出資比率はアクセンチュアが70%、Mujinが30%。
アクセンチュアはITシステムの構築などに強みを持つ大手の戦略コンサルティング会社だ。経営判断のために企業全体の資源を一元管理する統合基幹業務システム(ERP)などを手掛けるが、現在はそれをさらに拡張したコンセプト「デジタルツイン・エンタープライズ」を掲げる。これは、現実世界の企業活動の全てをデジタル上で再現するものだ。さまざまなデータを収集して管理し、そのデータの分析結果や人工知能(AI)によるシミュレーション結果などに基づき、正確かつ迅速な経営判断を可能にする。
制御やデータ収集はセル単位で行うが、コントローラーを上位の「Mujinプラットフォームシステム」に接続すれば製造現場や物流現場のデータをリアルタイムで収集でき、現場のデジタルツインを実現できる。
新会社AAAは、アクセンチュアが強い経営側のシステムとMujinが得意とする現場側のシステムをシームレスに接合する役目を果たす。アクセンチュアとMujinの両社から集められたメンバーがプロジェクトチームを結成し、経営系のプラットフォームと現場のプラットフォームをつなぐシステムの構想策定や要件定義、構築などを担う。
アクセンチュアの江川昌史社長は「7~8年前にMujinの滝野CEOと知り合い、そのビジネスのコンセプトに感動して2019年から協業してきた。今回の合弁会社の設立により、その協業関係をさらに強化する」と語る。
Mujinの滝野CEOは「協業を始めた時点ではわれわれはまだ小さいベンチャー企業だったが、この数年間でパートナーとして展開できる規模にまで成長することができた。アクセンチュアを通し、幅広い業界のお客さまに新しい価値をもたらしていきたい」と話す。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)