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2021.07.29

グーグル親会社が産ロボのソフト会社を設立

 米グーグルの持ち株会社のアルファベットは7月23日、産業用ロボット向けソフトウエアの新会社、Intrinsic(イントリンシック)を立ち上げると発表した。IntrinsicのWendy Tan-White(ウェンディ・タン・ホワイト)最高経営責任者(CEO)がブログで明らかにした。

 柔軟性が高く、より簡単で、低コストに産業用ロボットを使えるようにするためのソフトを開発する。
 Intrinsicは数年にわたり、幅広い用途でロボットを使えるようにするため、製造現場のパートナーと協力し、自動認識や深層学習、強化学習、モーションプランニング、シミュレーション、力制御などの技術を使ったソフトのテストを重ねてきた。

 同社がこれまでに実施したテストでは、例えば従来はプログラミングに数百時間かかっていたUSBコネクターの挿入作業を、2時間でできるようにした。また他のテストでは、複数のロボットアームを協調させ、建築部品や家具の組み立てにも成功したという。

 ホワイトCEOは、「これらの作業は現時点では、自動化するのが現実的ではないか、(自動化しても)手ごろな価格には収まらない。しかし、世界中にこのような作業はたくさんある。われわれが開発するソフトは、産業用ロボットを使うために必要な時間やコスト、複雑さを削減する可能性を持っている」と述べる。

 Intrinsicは立ち上げにあたり、既に産業用ロボットを導入している自動車や電子機器、医療業界のパートナー企業を探している。また、人工知能やロボティクス技術に精通した人材も募集しているという。

(ロボットダイジェスト編集部 鷲見咲美)

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