ユニークな自動倉庫や柔軟に使える搬送ロボット【その2】/国際物流総合展
新型AGVでピッキング作業を実演
今回の国際総合物流展で各社がこぞって新製品を発表したのが、物流用のAGVだ。倉庫内で棚やパレット(荷物を積む荷役台)を搬送できる大可搬AGVや、棚を回って指定された商品を集めるピッキング用のAGVなどが多数披露された。
豊田自動織機の社内カンパニーであるトヨタL&Fカンパニーは、「その物流に、ジャストソリューション」をコンセプトに複数のAGVを展示した。目玉は参考出展のAGV「AiR(エア)-T」だ。
レーザーで周辺を確認して自律的に移動するレーザー誘導SLAM(スラム)方式により、床面に磁気テープなどを敷設しなくても自律的に移動できる。障害物がある場合もその場で停止するのではなく、自動で避けて通る。特殊な車輪で全方向に移動でき、方向転換による停止時間なども生じない。
自律走行だけでなく人を追尾して後ろを追いかけることもできる。自動追従する場合も、IDタグやビーコン(無線標識)などの認識装置は不要だ。
ブースでは作業者と協働で、棚を回って部品などを集めるピッキング作業を実演した。AiR-Tが人の後ろを付いて回り、人が棚から部品の箱を取り出してはAiR-T上のコンテナに載せた。
悪路、勾配にも対応
花岡車輌(東京都江東区、花岡徹社長)は、悪路や勾配に強いAGV「DANDY AUTO-PILOT(ダンディー・オート・パイロット)を参考展示した。自由関節が組み込まれた6輪の「ロッカーボギー機構」を採用することで、勾配や段差があっても車輪が浮かず、しっかり地面をとらえられる。
「悪路や勾配に強いため、スロープがある羽田空港の格納庫で使えないか全日本空輸(ANA)と実証実験しているが、工場で使いたいとの声も多い。段差などで従来のAGVが使えなかった工場もあり、そうした現場でもダンディー・オート・パイロットの強みを生かせる」と営業本部国内営業部の松島史佳次長は言う。