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2019.01.18

連載

[注目製品PickUp!Vol.6]協働ロボには協働ハンドを【後編】/シュンク・ジャパン「Co-actグリッパー」

編集部が注目した特徴的な製品を紹介する「注目製品PickUp!」の第5弾は、ロボット本体ではなく、ロボットアームの先端に取り付けるグリッパー(ロボットハンド)を初めて取り上げる。ハンドはつかむ物と直に接触する重要な部位で、ロボットの用途の広がりに合わせて製品開発も活発だ。今回紹介するのはシュンク・ジャパン(東京都品川区、谷本昌信社長)の「Co-act(コ・アクト)グリッパー」。国内では珍しい、協働ロボット向けのハンドだ。

新製品だがルーツは古い

 ドイツのロボットハンドメーカー、シュンクが開発し、日本ではシュンク・ジャパンが販売する協働ロボット用のハンド「Co-actグリッパー」。

 接触しても危険の少ない丸みのあるカバーを採用し、指を挟まれてもけがをしないよう把握力を140N(約14.3kg重)以下に抑えたハンドだ。
 日本での初披露は2017年、ドイツ本国でも2016年に発売された新製品だが、そのルーツは古い。

電動式が日の目を見た

シュンクの協働ロボット用ハンド「Co-actグリッパー」

 ロボットハンドには空圧駆動や電動駆動などいくつかのタイプがある。同社が最も多く販売しているのは空圧式だが、Co-actグリッパーは電動式だ。
 シュンクがロボットハンド事業を始めたのは1984年で、当初製造していたのは空圧式だけだった。90年に電動式を製造し始めたが、その時代はまだ小型モーターのコストが高く、性能もまだまだ発展途上だった。しかし、把握力を自在に制御できるなどのメリットがあり、「これからは電動の時代」と開発に力を入れてきた。

「高い安全性が求められる協働ロボットが登場したことで、把握力を制御できることの重要性が飛躍的に高まった。今ではモーターのコストは下がり、性能も空圧式と遜色ない。他社に先駆けて開発に注力してきた当社の電動ハンドの技術が、ようやく日の目を見た」とマーケティンググループの川村康士マネージャーは言う。

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