ロボ専用の「手持ち」機械工具で自動化提案を本格化【前編】/日東工器 石澤正光常務執行役員
配管をつなぐ迅速流体継手「カプラ」や機械工具などを扱う機器メーカーの日東工器が、産業用ロボットを使った自動化提案を本格化させる。第一弾として、産業用ロボットに取り付けて使うベルトサンダーなどを発売した。石澤正光常務執行役員は「豊富な既存の製品群の中でも顧客ニーズの高いものから対応させる」と話す。
既存製品の応用でメリット
――3製品を発売した狙いは。 元々これらは、作業者が手で持って使う機械工具の人気商品です。金属加工品の加工面などにできた微小な突起物を取るバリ取りや、表面や曲面の研磨作業が主な用途です。バリ取りや研磨作業は微妙な力加減が必要でロボットを使った自動化が難しく、技量のある作業者の手作業に頼らざるを得ない。しかし、昨今の人手不足で、その作業を担う人材が減少しています。また、高度な技能を持つ作業者は高齢な場合が多く、顧客から自動化を望む声が少なくありませんでした。中には、作業者用の機械工具を自作した補助具(ジグ)でロボットに固定して作業させる顧客もいたほど。自動化対応は日東工器にとっても長年の課題でした。