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2020.10.12
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[新連載・ロボへの道も一歩からCase.1-①]やっぱりコロナはキツかった/サンエース編

新連載「ロボへの道も一歩から」は、産業用ロボットを初めて導入しようとする会社に記者が訪問、その課程で起きた出来事や苦労などを紹介する。何度も足を運び、ロボットの導入までを追いかける。進行中の計画を取材するため、記者自身、何が起こるのか分からない。何はともあれ、連載がスタートした。

どう利益を出していこうか……

 ケース①で訪問する会社は、水栓金具部品やシャワーヘッド、美容器具などの組み立てや、耐圧、耐水検査を請け負う岐阜県のサンエース(岐阜県各務原市、藤田斉社長)。取材先が見つからず記者が困っていた時、藤田社長が「ロボットの購入を考えている」と教えてくれた。  さっそく連載の趣旨を説明したところ快諾! 先の分からない進行中の計画にも関わらず、協力してもらえる藤田社長、サンエースさんには感謝しかない。

民家や田んぼに囲まれて建つサンエースの工場

 取材をしたのは8月末日。強い日差しに汗ばむほどの快晴だった。  車で住宅地を抜けた先にサンエースの工場はある。  社長含め従業員は5人、パート従業員が35人の計40人の会社だ。    組み立てる部品はバリエーションも豊富で、色違いなどを含めると数千種類。月20個から3000個と部品によって、注文を受ける数にも幅がある。

日常生活でよく目にする部品がたくさん

 そんなサンエースがロボット導入を考え始めた背景には、近年の経済情勢があった…… 「この数年間、最低賃金が20数円ずつ上がっていく」(藤田社長)  パート従業員の最低賃金が年々引き上がり、時給の相場も上がることで、人数に変化がなくても年間100万円ほどプラスで人件費がかかることに。  薄利多売の組み立て作業では、工程の改善だけでそれを埋め合わせる利益を捻出するのは苦しくなってきた。  産業用ロボットによる自動化を考えていたところに、最後の一押しがあった。 新型コロナウイルス感染症だ!

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