[注目製品PickUp!vol. 26]作業用手袋メーカーが生んだロボ用手袋【後編】/東和コーポレーション「ロボグローブ」
老舗の作業用手袋メーカーである東和コーポレーション(福岡県久留米市、渡辺聡社長)は、ロボット用手袋「ロボグローブ」を開発した。ロボットハンドに装着することで、作業効率を向上させ、ハンドを保護できる。まだ一般的ではない「ロボットに手袋」とのコンセプトで市場開拓に乗り出したのはなぜなのか? そして勝算はあるのか? 同社の戦略を探る。
本気で作ったロボ用手袋
数百円を数万円に“リニューアル”
同社製品の7割は工場向け。食品や化粧品、医薬品のいわゆる三品産業の工場での実績が多い。製造業では、作業中のけがを防止する安全確保のニーズがあり、その用途に適した手袋も製造する。 近年、自動化が急速に進む。それは人手の減少を意味し、工場で使う手袋の需要減少に直結する。しかし、「人が使う手袋の需要は減少するが、自動化で増えるロボット向けの手袋需要があるのではないか」との仮説でロボット手袋事業を始めたと広報部の田辺敬介主任は振り返る。 人が装着する従来の手袋の一般的な単価は数百円。ロボグローブは、それをロボット向けに“リニューアル”するようなものだが、値段だけみれば100倍にもなる。 単純に装着する主体が人からロボットに替わるだけだが、そこはまだ誰も乗り出していない新たな市場といえる。