[注目製品PickUp! vol.71]国内の現場で、より魅力が輝く/オークラ輸送機「EasyPAL(イージーパル)」
不慣れでも簡単に
イージーパルの主要な対象分野と想定する食品や飲料の生産現場や物流現場では、ロボットの扱いに習熟する作業者が多くはない。
マテハン大手の同社は20年近く前から、ロボットに不慣れな作業者も簡単にパレタイズの教示作業をできるソフト「OXPA(オクスパ)-Qm」を提供してきた。
パレットのサイズや箱のサイズやラベル位置、重心位置などを入力し、積み付けパターンを選択すれば動作プログラムを作成できる。シミュレーター上で動作や処理能力をなども確認できる。
顧客から好評の同ソフトを「OXPA-QmC」として、URの協働ロボットにも対応させた。
サポート体制の構築も急ぐ。全国各地にあるサービス拠点では、URの協働ロボットを扱うために、社員講習などを始めている。また、メンテナンス部品や代替機の手配も進める。
「顧客の現場の生産や物流を止めないのが最優先。そこで、アフターサービス体制をいち早く構築したい」(小野山常務)。
幅広い開発の可能性
今後はイージーパルを発表して寄せられたニーズや意見を基に、国内市場に見合った形でラインアップの拡充を進める。
構想の中では、URの中で最大となる30kg可搬の協働ロボットの採用も視野に入れる。顧客別のカスタマイズをしやすいようオプションの選択肢もまだまだ必要だ。
さらに、ある程度仕様が固まったら、国内と類似した課題が多い東アジアや東南アジアへの展開も検討している。
小野山常務は「製品ラインアップの拡充の面でも、新規開拓の面でも、わが社の可能性を大きく広げてくれる製品。顧客や市場の反応を見ながら、今後の方向性を幅広く考えたい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)