製造業の川上工程でPF戦略と自動化が加速【前編】/ダッソー・システムズ
定型業務を自動化
また、3Dエクスペリエンス・ワークスのロールとしても提供する機能の強化も発表した。具体的には、3Dクリエイターに搭載する設計用ソフトのxデザインに人工知能(AI)の一種である機械学習機能を搭載したという。
従来は手間がかかっていた定型作業を、AIで自動化して効率化を図る狙いだ。
xデザインにAIを導入したのは昨年末。AIにより①セレクションヘルパー②スケッチヘルパー③メイドプリディクター――の3つの機能を実現した。
①のセレクションヘルパーは、設計した部品の鋭利な角部に丸みを持たせる「フィレット」と呼ばれる作業を効率化する。鋭利な角が多くある場合、通常は何度もフィレット作業をする必要があるが、角部の形状をAIに学習させることで、ワンクリックでフィレット作業が完了する。
②のスケッチヘルパーは、中心点を決める作業を、AIを使って自動化できる。
③のメイドプリディクターは、設計した部品を図面上で組み合わせる「アセンブリー」の作業に使う機能だ。組み付ける対象に部品のデータを近づけるだけで、その部品に合致する箇所が自動で選択される。
バッシCEOは「定型作業を自動化すれば、時間を節約できる。顧客にはぜひとも、その時間を創造的な活動に充てて、イノベーションを起こしてほしい」と訴えた。
「(自動化によって)仕事が奪われる暗い未来がサイエンスフィクション(SF)の世界では描かれるが、納得がいかない。自動化は、人から仕事を奪うのではなく、仕事の中身を変えて人の生活を改善する。わが社は『ヒューマニティー(人間らしさ)』を大事にしており、時間とリソースを割いて自動化の技術を開発するのも、人の生活をより良い方向に改善したいからだ」と力強く語った。
後編では、バッシCEOへのインタビューを掲載する。ダッソーが推進するPF戦略は、果たして受け入れられるのか――。率直な疑問をぶつけた。
――後編へ続く
(ロボットダイジェスト編集部 鷲見咲美)
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