複数のセンサーをカメラ1台に置き換える! 協働ロボのシステム構成を簡単に/キヤノン、ユニバーサルロボット
協働ロボとの相性が良い
一方、課題もある。一つはカメラの追従スピードだ。カメラ1台で複数の箇所を見るため、生産スピードの速い製造ラインでは、カメラが観察対象に追従しきれない。キヤノンの説明担当者は、「だからこそ協働ロボットと相性が良く、この分野で世界大手のUR向けに特化した製品を開発した」と言う。 「協働ロボットは人の近くでも作業する特性上、動作が速くないため、カメラ1台で対応できる。また協働ロボットもビジョンエディションも導入時の設定が簡単なので、親和性は高い」(説明担当者)。 まずは日本での販売に注力する。導入がしやすいため、特に中小企業への提案に力を入れる。カメラやセンサーをいくつも使わなくても、カメラ1台で簡単なシステム構成にできるとアピールする。日本市場での反応を見て、将来は海外への拡販も視野に入れる。
世界的メーカーの同士のコラボ
UR+の製品群には、すでにカメラや関連ソフトは豊富にあるが、カメラ1台で複数箇所を撮影するものはなかった。またUR+は、製品に特色が必要なこともあり、参加するのはベンチャー企業が多かったという。山根GMは「世界的な光学機器メーカーの先端製品をUR+に加えられるのは、非常に光栄」と話す。 キヤノンもまた、URを高く評価する。枝窪副事業本部長は「どの産業でも製品単品では差別化が難しくなっており、得意分野の違う複数社による協業が重要。世界各地で使われるURの認定製品になったことで、将来的には世界に向けてFA事業を広げられる」と今後を見据えた。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)