[特集 国際ロボット展vol.15]ロボットの可能性を広げる関連技術や周辺機器
製造サービスやコネクター、ケーブルの展示も
ロボットハンド以外の周辺機器の展示も多く、オーストリアのロボット用コントローラーメーカーの日本法人、KEBAジャパン(東京都品川区、村上正和社長)は、相手先ブランドによる生産(OEM)で各社の独自技術を組み込みやすい点をアピールした。近年、ロボットメーカー各社は差別化のため、独自の技術や機能をコントローラーに搭載する流れが強まっているという。村上社長は「基本的な機能は標準搭載した上で、各社の制御技術を上乗せできる余地のある、使いやすいコントローラー」と訴求ポイントを説明する。 コネクターなどの電子部品メーカー、日本航空電子工業はロボット向けに、電源と各種データ通信用の接続部を集約したコネクター「KN01シリーズ」をアピールした。防水仕様で軽量な角型コネクターで、接続部の形状を柔軟にカスタマイズできる。 電線メーカーのタツタ電線は、溶接ロボット向けの電源ケーブルの標準品「T-UL1032&T-CSA」を出展した。同社はもともと、ロボットメーカーの仕様に合わせたカスタマイズ品に強みを持っていたが、メンテナンスの効率化などを見込み、標準品もラインアップした。銅線のより方を工夫した他、銅線を覆うビニールに特殊な素材を採用するなどして、高い耐久性を実現した。 同社のグループ会社、中国電線工業(大阪府藤井市、八巻徹夫社長)の矢田卓己大阪営業所長は「ロボットメーカーや周辺機器メーカーに興味を持ってもらえた」と手応えを語る。
要素部品メーカーが軽量な樹脂製ロボット披露
ダイレクトドライブ(DD)モーターや高トルク対応のプラスチックギアを製造販売するカナダのジェネシスロボティクスは、自社製品の性能をアピールすると共に、それらを使用した多関節ロボットを参考出品した。 3Dプリンターで製造しており、ボディーは樹脂製。軽量、安全、素早い動作を意識して製作した。減速システムには高機能樹脂製の「Reflex(リフレクス)」を使用。重量を抑えながら、高いトルクを生み出せる。 「より軽く、そして安全に、それでいてパフォーマンスは落とさない。工場だけでなく家庭でも活躍できるロボットにしたい」とジェームズ・クラーセン最高技術責任者(CTO)は意気込む。展示した樹脂ロボットは、20年の後半に発売する計画だ。
――終わり
(国際ロボット展取材班)
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