[SIerを訪ねてvol.67]アイデア勝負で差別化/アイズロボ
有償テストでより良い自動化を
アイズロボは本社から車で5分ほどの場所に「テストラボ」を構える。ラボには6軸垂直多関節ロボットが2台、協働ロボットが3台設置されている。顧客から実現難易度の高い自動化の案件が来た際には、正式に引き受ける前にまずテストラボでロボットを動かしてアイデアを練る。
テストを無料で引き受けるSIerもいる中で、アイズロボはあえて費用を請求している。「無料の範囲で試せる内容には限界がある。テストにも料金を設定することで、より効率的な方法を追求でき、適切な自動化システムを提案できるようになる」と話す。
取材時にはコンベヤーを流れる複数のパンを模したサンプルに、協働ロボットでどう効率よくマヨネーズを塗布するかをテストしていた。
アイズロボは創業から13年ほどしかたっていない。SIer企業としての歴史は比較的短いことに加え、従業員数も11人と少数だが、今では年間で10件以上の案件をこなすほどに成長した。他のSIerでは対応が難しい複雑な案件に積極的に挑戦し、顧客からの信頼を得たことが案件の獲得につながった。
「わが社の社是の1つに『できるできないではない やるか!やらないか!』を掲げる。難しいからと依頼を突っぱねるのでなく、まずはトライすることを大事にしてきたため、短い年月で引き合いを増やせた」と久保社長。
引き受ける依頼にもこだわりを持つ。「例えば段ボール箱をただつかんで移し替えるだけのような単純な自動化システムは価格でしか差を付けられない。そうした案件よりも、アイデアがものを言う複雑な案件を積極的に引き受けている。難易度の高い案件を前にして行き詰まる経験が、後々の成長にもつながる」と語る。
アイズロボの立ち上げ前に久保社長が務めていた会社の社長は発想力豊かなアイデアマンだった。その背中を見ていた久保社長もアイズロボの立ち上げ後は自然とアイデア勝負の道を歩んだ。
現在に至るまでに担当した自動化案件の大半は製造業向けだったが、今後は物流業界の開拓を狙う。物流業界はトラックドライバーの時間外労働時間の上限規制に端を発する「2024年問題」を背景に、自動化の需要が高まっている。「対象とする業界だけでなく商圏も広げたい。現在は日本のみを商圏としているが、海外への進出を考えている。わが社を100年企業にすべく、さまざまなチャレンジをしたい」と力を込める。

