食品機械展でロボットに熱視線【その1】/FOOMA JAPAN2024
産業用ロボットとAGV・AMRを組み合わせ
山善はあえて複数のメーカーの協働ロボットやAGV・AMRを使い、それらを連動させてシステムを構築した。
ロボットやAMRに加え、コンベヤーや計数機、垂直搬送装置などを組み合わせ、飴などのお菓子の個包装後の工程を自動化した。「メーカーにとらわれずに最適な機器を組み合わせられる商社ならではの提案」と同社のマーケティング責任者は話す。
パンや焼き菓子などを焼成しながら搬送するトンネルオーブンなどに強みを持つメーカーマスダック(埼玉県所沢市、奥田信夫社長)は、トンネルオーブンと協働ロボット、搬送ロボットを組み合わせて展示した。
焼成前の生地を載せた天板を協働ロボットでトンネルオーブンに投入し、焼成後の天板の回収・搬送を搬送ロボットに担わせた。
画像認識で差別化
近年はビジョンシステムを搭載した自動化システムが増える傾向にある。FOOMA JAPANの会場でも、カメラや画像処理技術を活用した展示は多かった。
食品や医薬品関連の自動化システムの開発を得意とするファクシム(福岡市早良区、新原洋介社長)は、容器自動ピッキングロボット「FA1900K」を展示した。食品容器を画像で認識してピッキングするロボットシステムで、下から光を当ててその影を撮影することで、透明容器でも問題なく認識できる。
明治機械ブースに共同出展した不二輸送機工業(山口県山陽小野田市、米中郁雄社長)は、パレタイズ/デパレタイズ専用ロボット「フジエース」を展示した。自社開発のビジョンシステム「FuVIS」をアーム先端に搭載し、パレット上の米袋の位置・姿勢を認識して持ち上げ、コンベヤーや別のパレットに置く。会場では紙袋に印刷された品種の文字を認識してそれぞれ異なるパレットに積み付けるデモも披露した。
THKは、目印となる「サインポスト」を内蔵カメラで認識しながら移動する搬送ロボット「SIGNAS(シグナス)」を提案した。
従来機種はけん引可能な重量が500kgまでだったが、昨年末に受注を開始した1tまでけん引可能な新モデルを展示した。傾斜路などを乗り越えるデモも披露し「食品工場の床面には傾斜や凹凸があることが多いが、それらを走破できることをアピールした」(FAソリューション営業本部)。
――続く
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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