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2023.02.27

連載

[ショールーム探訪vol.11]上野の繁華街で、協働ロボを教わる/「SSI株式会社×TM-ROBOTショールーム&ラボ」

特別教育を体験

SSIの教育内容を説明する竹内千洋常務執行役員

 このショールーム&ラボはテックマン公認のトレーニングセンターも兼ねており、テックマンの協働ロボットの基本操作を学ぶ「ベーシックトレーニング」や上級操作の「アドバンスドトレーニング」を受講できる。また、ロボットの教示業務に必要な安全知識などを教える特別教育コースも実施する。
 そこで記者も実際に体験させてもらった。

 今回、体験したのは特別教育コース。特別教育とは、特定の業務に関する安全や衛生のための教育で、労働安全衛生法に規定される。
 原則は危険や有害な業務に労働者を就かせるときに、事業者が実施する。ただし、外部機関の特別教育の利用もできる。

法令を解説する竹内千洋常務執行役員(=左)と記者

 SSIでは特別教育と、TM AIコボットシリーズの簡単な動作プログラミング方法を合わせて1つのコースにしている。
 
 実際には、関連法令やロボットの危険性などを学ぶ座学と、ロボットを操作する実習を合わせて2日間で実施する。今回は、それを簡略化して体験した。

 まずは、関連する法律や省令などの座学だ。
 産業用ロボット は、運用方法の誤りや人為的なミスなどにより、重大な事故を起こす危険性がある。実際にロボットの教示やメンテナンス中に、死亡事故などの労働災害が発生している。そこで各種法令が整備されている。そういった背景を含めて、解説を受けた。

 その次に、協働ロボット本体やその取り扱い、メンテナンスに関する知識や技術を学ぶ。実際には、ここまでで1日半をかける。

画像認識も含め、たった5分でプログラミング

TM AIコボットのプログラミングの様子(ノーカット)

 次にプログラミング実習に移る。今回は竹内常務のプログラミングの様子を見学した。
 竹内常務は「テックマンロボットのプログラミングの簡単さを伝えたい」と話し、おもむろに準備に取り掛かった。

 今回の作業は、認識用のマークが付いた小さなトレーの上に、矢印型の対象物(ワーク)を置く。それを標準搭載のカメラで認識して、グリッパーで持ち上げて移動させるもの。

 TM AIコボットシリーズはロボットアームを直接動かしてプログラミングする「ダイレクトティーチング」をできる。竹内常務が「ここかな。ここかな」などとロボットアームの位置取りを繰り返しながら、着実に作業を進める。
 画像認識の設定も、撮像してモニターに表示された中から、対象のワークを指定するだけ。5分ほどで作業を終えた。

 実際に動かすと、ロボットがパレット上のワークを認識して持ち上げて移動させた。パレットの位置がずれても、パレット上にワークを無造作に置いても、TM AIコボットが画像で認識して、持ち上げる。対象物が見当たらない場合には、撮像作業を繰り返す。

 短時間のプログラミングで複雑な作業をこなすTM AIコボットを見て、記者は驚くしかなかった。
 竹内常務は「初心者でも30分もあれば、このようなプログラムを作成できる。ビジョンピッキングに必要な機能を一体で提供するので、TM AIコボットは本当に簡単に扱える」とアピールする。

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