[ロボットが活躍する現場vol.17]協働ロボで負担軽減、生産性向上へ/カサイ製作所
当初の計画通りに稼働
特許申請の関係もあって写真は掲載できないが、もう一つは21年10月に立ち上げたばかりのEPBスイッチの組み立て工程に採用した。全体のラインはデンソーウェーブのスカラロボット2台とコボッタ1台で構成され、2台のスカラロボットでスイッチを組み立てる。そのスイッチを作業者が専用の検査装置にセットした後、コボッタが実際に各操作ボタンを押して機能検査する。形状が違う各操作ボタンを押すためのハンドも自社で設計、製作した。 従来は人がスイッチのセットも、操作ボタンを押して検査する作業も担当していた。コボッタが作業の一部を肩代わりし、人は空いた時間を別の作業に充てることで、全体のサイクルタイムを短縮し生産性を高めた。「作業者1人だと一連の作業に40秒かかっていたが、30秒に短縮でき、人による操作ミスも削減した」と奥村次長は胸を張る。 同社は自動化設備を内製できるため、今回のコボッタのラインも外部のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に頼ることなく全て自前で設計、製作した。そのため、コボッタ本体やハンド、付帯装置だけの安価なコストでラインを構築できたという。 「2台とも当初の計画通りに稼働している」と葛西社長は満足げに話す。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)