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2022.01.18
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[ロボットが活躍する現場vol.17]協働ロボで負担軽減、生産性向上へ/カサイ製作所

当初の計画通りに稼働

「2台とも当初の計画通りに稼働している」と話す葛西泉社長

 特許申請の関係もあって写真は掲載できないが、もう一つは21年10月に立ち上げたばかりのEPBスイッチの組み立て工程に採用した。全体のラインはデンソーウェーブのスカラロボット2台とコボッタ1台で構成され、2台のスカラロボットでスイッチを組み立てる。そのスイッチを作業者が専用の検査装置にセットした後、コボッタが実際に各操作ボタンを押して機能検査する。形状が違う各操作ボタンを押すためのハンドも自社で設計、製作した。  従来は人がスイッチのセットも、操作ボタンを押して検査する作業も担当していた。コボッタが作業の一部を肩代わりし、人は空いた時間を別の作業に充てることで、全体のサイクルタイムを短縮し生産性を高めた。「作業者1人だと一連の作業に40秒かかっていたが、30秒に短縮でき、人による操作ミスも削減した」と奥村次長は胸を張る。  同社は自動化設備を内製できるため、今回のコボッタのラインも外部のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に頼ることなく全て自前で設計、製作した。そのため、コボッタ本体やハンド、付帯装置だけの安価なコストでラインを構築できたという。  「2台とも当初の計画通りに稼働している」と葛西社長は満足げに話す。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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