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2021.08.17
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[注目製品PickUp! vol.37]使いやすくて日本製! 多品種向けフィーダー【後編】/鈴野製作所「SVFシリーズ」

フィーダーでSDGsにも貢献

開発場所であるガレージにはデモ機も設置

 モーターでテーブルを振動させるだけのシンプルな構造なので、当初は簡単に開発できると思っていたという。しかし、開発を始めると簡単ではないことが分かってきた。単純に細かく振動させるだけでは、上に載せた部品が全く動かなかった。  「昨年12月に半導体の工場を畳むことが決まっており、それまでに開発の目処を立てたかったが、11月の時点で全くできていなかった。あの時は正直、『このままではやばい』と思った」(鈴野勇樹氏)という。  その後、加速度の設定など制御面を根本から見直し、また信頼性やメンテナンス性を高めるために軸受け部品の仕様などを見直すことで、今年2月に製品化にこぎつけた。

 同社はSVFシリーズを開発したことで、神奈川県の「SDGs中小企業伴走型支援」事業にも採択されている。これは持続可能な開発目標(SDGs)を取り入れた事業計画の策定や実現を県や県内金融機関が支援するもので、同社が第一号だ。ボウルフィーダーと比べて電力消費が少なく、振動騒音も少ないため作業者へのストレスを軽減できることなどが評価された。  「ビジョンセンサーや多用途ロボットハンドなどの普及により、ロボットが多品種少量生産の現場でも少しずつ使われるようになると、次にボトルネックになるのが部品供給。まだまだ注目されることは少ないが、今後はフィーダーが大きなカギを握る時代が来る」と鈴野勇樹氏、真樹氏は語る。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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