[特集 物流機器は新世代へvol.10]9日から愛知で初開催! 現地で見るべき展示はこれだ
物流業界に参入したロボメーカー、パレロボ披露
物流分野での産業用ロボットの用途には、荷物をパレット(荷役台)に積むパレタイズや、パレットから荷物を降ろすデパレタイズがある。今回展ではパレタイズやデパレタイズロボットも見られるようだ。 ユーシン精機(小間番号=D-405)は、箱を積み下ろしするパレタイジングロボット「PAシリーズ」を展示する。 PAシリーズは直線運動する軸を直交させた構造で、パレタイジングロボットで一般的に使われる垂直多関節ロボットに比べ設置面積が小さいのが特徴だ。 同社はプラスチック成形品の取り出しロボットのメーカーで、同分野では世界シェアトップを誇る。取り出しロボットの開発や製造で培った、対象物に合わせたロボットハンドの設計技術などの強みを生かし、昨年6月に物流業界に参入した。 大手工作機械メーカーで、産業用ロボットも製造する芝浦機械(小間番号=E-303)は、「省力化」「省人化」「省スペース化」をキーワードに、パレタイズとデパレタイズのロボットシステムを披露する。可搬質量30kgの直交座標型パレタイズロボットや、薄型のターンテーブルを採用したパレタイズロボットを展示する。 パレタイズやデパレタイズシステム向けの周辺機器の展示もある。 ドイツに本拠地を置く真空機器メーカーの日本法人、シュマルツ(小間番号=D-508、横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は、段ボールやパレットを面で吸着する真空グリッパー「SPZ」を展示する。さらに、女性や高齢者も重量物を楽に搬送できる助力装置「ジャンボ」なども紹介する。
AGVは自律走行タイプに注目
物流現場を大きく変えつつある無人搬送車(AGV)も大きな注目を集めそうだ。 搬送ロボットメーカーの匠(小間番号=D-407、福岡市中央区、後藤元晴社長)は、独自開発した搬送ロボット2機種を展示する。 1つ目は、物を保管する棚の下に潜り込み、棚ごと作業ステーションまで運ぶ搬送ロボット「TiTra(ティトラ)G」だ。可搬質量は500kgで、停止精度は±1cm。床に貼られた2次元コードを読み取りながら走行する。簡単にロボットの数を増やせ、急に商品数が増加した時も柔軟に対応できるという。 2つ目は、昨年秋に発売した、自律的に目的地まで移動できるSLAM(スラム)方式の搬送ロボット「ティトラS」だ。前方に搭載したレーダーと、周辺の地図情報を照合しながら走行でき、急に現れた障害物も回避する。
海外製AGV、消毒ロボやフォークリフトタイプなど
国内メーカーだけではなく、海外メーカーや日系企業も海外製のAGVをアピールする。 中国・深センに本社を構える移動ロボットメーカーのStandard-Robots(スタンダード・ロボット、小間番号=E-416)は、設置場所の改造が不要で、磁気テープなしで自律的に走行できるSLAM式の自律移動ロボットを展示する。また、110㎡の面積を15分で消毒し、減菌率が99%を超える消毒ロボットも紹介する。 産業車の販売やリースを手掛けるマイティーカーサービス(小間番号=E-220、東京都千代田区、吉岡和人社長)は、オーストリア・AGILOX(アジロックス)が開発した全自動フォークリフト「AGILOX ONE(アジロックスワン)」を披露する。アジロックスワンは、集中制御システムなしに運用でき、製造現場や倉庫内を自律的に走行。狭い通路では横移動したあとに方向転換をするなど、狭いスペースでも使える。 物流の自動化で大きな注目を集めるAGVだが、それを支える周辺機器も見逃せない。 ドイツ・ケルヒャーの日本法人ケルヒャージャパン(小間番号=E-210、横浜市港北区、マーク・ヴァン・インゲルゲム社長)は、AGVを安全でスムーズに稼働させるため、床洗浄機やスイーパーなどの通路清掃製品を紹介する。配送仕分けシステムなどの設備を効果的に運用させるための清掃方法などを提案し、顧客が抱える清掃問題へのソリューションを提案する。 当サイトを運営するニュースダイジェスト社(小間番号=E-107、名古屋市千種区、樋口八郎社長)も出展する。 「robot digest(ロボットダイジェスト)」や、50年以上にわたり発刊する工作機械や工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)関連設備の専門誌「月刊生産財マーケティング」、日本のFA業界の情報を英語で発信する「SEISANZAI Japan」の3媒体を紹介する。ブースではノベルティー(記念品)も配布する。 ロボットダイジェストでは、国際物流総合展の速報リポートを9日以降に掲載する予定だ。当日、各社はどんな物流システムや製品を披露するのだろうか。速報リポートも見逃さないようにチェックしていただきたい。
(ロボットダイジェスト編集部 鷲見咲美)
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