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2021.11.05

イベント

専門展で見た! ロボットや物流関連の最新提案【後編】

10月27日~29日の3日間にわたり、ロボットや物流機器関連の専門展が名古屋市内で開催された。自動化技術を求める来場者に向け、数多くの企業が最新のロボット関連製品などをPRした。後編ではロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)や周辺機器メーカー、物流機器メーカーの展示物を取り上げる。

動く物体を正確に認識

ニコンのビジョンセンサーを搭載した協働ロボットが、タグの動きを認識して追従する

 カメラで有名な光学機器メーカーのニコンは、ロボット用のビジョンセンサーのプロトタイプを出展した。①高速性②認識率③柔軟性――の3つを特徴に持ち、動く物体を正確に認識できるのが強みだ。

 小間では、ビジョンセンサーを搭載したユニバーサルロボット製の協働ロボットを使い、専用のタグを認識するデモを披露した。人が自由に動かせる棒の先端にタグが付いており、棒の動きによって変わるタグの位置をビジョンセンサーで認識して追従する仕組みだ。担当者は「目指したのは、人と同等かそれ以上の動体視力」と語る。

画像処理技術生かしたシステム

スターテクノはプラスチック部品に接着剤を塗布するロボットシステムを出展

 自動車業界向けのロボットシステムを得意とするSIerのスターテクノ(愛知県岩倉市、塩谷陽一社長)は、プラスチック部品に接着剤を塗布するロボットシステムを紹介した。
従来はプラスチック部品に人が両面テープを貼って接合していたが、ロボットシステムを通じて人手作業の自動化を促す狙いだ。

 また、光学レンズなどを製造、販売する興和オプトロニクス(名古屋市中区、三輪尚巨社長)は、子会社のSIerのテックメイク(東京都武蔵村山市、桑原伸一郎社長)と連携し、得意分野の画像処理技術を生かしたロボットシステムを展示した。興和オプトロニクスの担当者は「ビジョンセンサーや画像処理用のソフトウエアに加え、ロボットシステムもグループ全体で一貫して設計、開発、製造できるのが特徴」と話す。

物流関連のソリューションにも注目

Doogは協働搬送ロボット「サウザー」を展示

 今回の専門展では、物流関連の自動化ソリューションも注目を集めた。
 2012年に設立されたベンチャー企業のDoog(ドーグ、茨城県つくば市、大島章社長)は、協働搬送ロボット「THOUZER(サウザー)」を出展した。主力製品の「E1シリーズ」には、床面に敷設した反射テープに沿って走行する「ライントレース機能」や、レーザーセンサーで対象物を認識して追従する「自動追従機能」が搭載されている。
 敷設した反射テープの上に専用のバーコードを貼れば、バーコードの位置までルートを指定できる機能もあり、工場や倉庫内の物流業務の自動化に役立つ。小間ではE1シリーズの特徴を体験できるデモも実施した。

初出展のオートストアシステムは自動倉庫システムをPR

 ノルウェーに本社を置くオートストアの日本法人、オートストアシステム(東京都中央区、鴨弘司社長)は、縦横に敷き詰められたコンテナをロボットがピッキングする自動倉庫システム「オートストア」を出展した。動作デモも披露し、来場者の注目を集めた。

 鴨社長は「オートストアとして国内で展示会に出るのは今回が初めて。初日から多くの人が来て、パンフレットもすぐになくなった。来場者の中には『これが欲しかった』と言う人も」と反響を語る。

――終わり
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)




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