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2019.10.17
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23日から開催のMECT2019、新方式や新提案の自動化が目白押し

プリセッターも自動化

共立精機が提案するツールプリセッターの自動化システム

 工作機械では、切削加工用の刃具(切削工具)をホルダーに取り付け、そのホルダーを機械本体に取り付ける。機械本体に取り付けたホルダーの交換は古くから自動化されているが、切削工具を取り付けたホルダーの準備はこれまで人手で行われてきた。この工程を自動化するシステムもMECT2019で見ることができる。  共立精機(宇都宮市、岡島英昭社長)はツールプリセッターの全自動システムを提案する。ツールプリセッターとは、切削工具をホルダーに取り付けた時の刃径や突き出し長さなどを計測する機械のこと。事前に計測することで、機械に取り付けた後の調整作業を省略できる。  「切削工具の交換や計測は、いまだに人手に頼るが、人手不足が深刻化する中、工作機械のように今後は必然的に自動化が進む」と岡島社長は予想する。

 同社は2年前のMECT2017で、多関節ロボットを付けて自動化したツールプリセッター「HP6040V-FA」を発表。昨年の「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」では、さらに自動刃具交換装置と無人搬送車を組み込んだ全自動システムを提案した。  ツールホルダーにセットした工具の計測だけでなく、前後工程の工具の着脱から搬送まで完全自動化した。  今回のMECT2019では、さらに顧客からの要望が多かった洗浄装置と刃具突き出し調整装置も付加して提案する。洗浄装置は、刃先が摩耗した切削工具をホルダーから外し、新しい切削工具を付ける際に、加工時に出た切りくずをかみ込まないようにするためのもの。刃具突き出し調整装置は、ホルダーに切削工具を固定する際、突き出し長さがそろうように自動調整する装置だ。各ユニットはモジュール化(自在に組み換えられるよう設計すること)しており、必要な機能だけ組み合わせてシステムとして使用できる。  「わが社にはレンズ加工機事業で培った自動化のノウハウがある。この強みを生かし、今後もツールプリセッターの自動化提案に力を入れる」と岡島社長は語る。

JIMTOF2018で披露したツールプリセッターの全自動システム
共立精機の岡島英昭社長(左)と北郷達哉営業部長

バリ取りや洗浄なども

柳瀬のデバリックス(左)。右のようなロボットがバリを取る

 バリ取りや洗浄工程の自動化を提案する企業もある。  研磨剤メーカーの柳瀬(兵庫県丹波市、柳瀬孝之社長)は、バリ取りロボット装置「DEBURIX(デバリックス)」を出展する。産業用ロボットとバリ取り工具を組み合わせたシステムで、さまざまなタイプのバリ取り工具を付け替えながら作業できるため、幅広い素材や形状に対応する。パッケージ化したことで、通常よりも短時間でシステムを立ち上げられる。  ジェイピーシー(愛知県豊田市、鈴木裕一郎社長)と共同出展する専用機、洗浄機メーカーのAQUA・J(アクアジェイ、愛知県豊田市、清水鈴信社長)は、産業用ロボットを使った洗浄システムをPRする。ロボットで洗浄液を当てる位置や角度を調整し、効果的に洗浄できる。  ロボット用ソフトウエアも展示される。ジェービーエムエンジニアリング(大阪府東大阪市、小谷幸次社長)は、コンピューター上でロボットのプログラム作成とシミュレーションができるソフト「OCTOPUZ(オクトパス)」を紹介する。搬送、溶接、ミーリング、塗装などのプログラムを簡単に作成できるソフトで、9月には新機能や対応製品を追加した新バージョン「オクトパス2.2」を発表した。  その他にも、多くの出展企業がそれぞれユニークな自動化関連製品をアピールする。今回展では各社の自動化提案に注目が集まりそうだ。

(編集デスク 曽根勇也)

※この記事の再編集版は「月刊生産財マーケティング」2019年9月号でもお読みいただけます。

【メカトロテックジャパンとは】 西暦奇数年の秋に名古屋市のポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される工作機械見本市。奇数年の工作機械展としては国内最大規模で、2017年展では9万2000人超の来場者を集めた。公式ウェブサイトはhttps://mect-japan.com/

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