[2023国際ロボット展リポートvol.26] それぞれのアプローチでロボット普及を推進/パナソニックHD、KUKA、ハイウィン、ファーロボティクス、山洋電機、NEDO
自社製品の組み合わせでアプリケーション展示/ハイウィン
台湾のハイウィン(日本法人:神戸市西区、林育志代表取締役副社長)は、ロボットだけでなく直動機器やベアリングなどさまざまなFA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)機器を開発、製造するメーカーだ。 営業技術部の佐伯篤志次長は「従来の国際ロボット展ではロボットそのものを展示のメインに位置付けてきたが、今回展ではロボットを核に自社製品のFA機器を組み合わせたアプリケーションとして展示した」と話す。 特に力を入れたのは物流や溶接。以前からトータルソリューションをうたってきたが、実際の展示にそれを反映した形だ。 その他、日本では東京などに設置する「ロボット技術センター」で概念検証できる点などをPRした。「普段からロボットに接している私たちが当たり前と思っていることは、初めて見たり触ったりする人にはそうではない。学校や地域などからロボットを使ったイベントの要望もあり、アプリケーションでの展示を意識するようになった」と語る。
曲面の研磨も一定の力で/ファーロボティクス
オーストリアに本拠地を置くファーロボティクスは、ロボットを使った自動研磨を提案した。 同社のエンドエフェクターを使うことでワークの形状にならって一定の力を加えることができ、研削加工やバリ取り、溶接スパッタの除去、バフによる仕上げ研磨を自動化できる。ツール本体に封入した空気の圧力を解析することで、滑らかな制御を実現した。 「独自の制御技術が肝。フィードバックのタイムラグがあると、素早く動かしながらリアルタイムで押し付け力を制御するのは難しいが、わが社の方式ならワークに合わせて常に最適な力をキープして加工できる」と日本オフィスの澤木一吉ディレクター。「欧州の大手自動車メーカーでは導入の実績があり、日本でもPRに力を入れる。iREXには今回初めて単独で出展した。高速かつ一定の力で研磨する難しさを知っている人にはとても驚かれている」と手ごたえを語る。