2023.12.27
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[SIerを訪ねてvol.41]ロボット活用の近道を作る/iCOM技研

「ロボットネイティブ」を育てる

「AIロボティクスラボスは研究開発だけでなく、教育の場としても活用する」と山口知彦社長

 ロボット導入のハードルを下げるため、22年8月にティーチングレス協働ロボットシステムの試作開発を開始した。兵庫県の「成長産業育成のための研究開発支援事業」に採択され、兵庫県立工業技術センターの金谷典武主任研究員と共同で研究を進める。開発当初はティーチングレスを実現するためにビジョンセンサーのみを使っていたが、現在はAIも活用する。現在は試作開発から実装の段階に移りつつある。  「ロボットのティーチングは大変な労力がかかる。ロボットを買っても、動作をティーチングするエンジニアがいないと意味がない。ティーチングレスを実現し、ロボットシステムをユーザー自身に構築してもらうのが理想。そうなれば、SIerの負担となる手離れの悪さも改善できる」と話す。  22年にURのトレーニングセンターとして認定された他、オンラインロボットスクールを運営するなど、ロボットに関する教育や導入支援にも力を入れる。  「ロボットを活用するのは難しいのではないかと身構えてしまう人が多いが、スパナやドライバーのようにロボットを道具の一つとして使ってほしい。例えば、ねじ締め作業もロボットを使えば簡単にできるようになると知ってもらいたい」という。  現在は、ロボットシステムの構築に関するスキルを遠隔で教育できる教材パッケージの試作開発に取り組んでいる。  来年には研究開発拠点としてAIロボティクスラボスを開設する。ティーチングレスシステムや遠隔教材パッケージの研究開発をする他、学生や社会人向けのロボット教育の場としても活用する予定だ。「子供向けのプログラミングスクールと協力して、デジタルネイティブのように『ロボットネイティブ』を育てたい。ロボット業界の課題であるエンジニア不足の解消につなげたい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

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