[SIerを訪ねてvol.37] マーキングの自動化に強み/山田マシンツール
メーカーとしての強みを発揮
タイではマテハンなど幅広い自動化システムを提案するが、国内ではマーキングを中心に提案して他のSIerと差別化を図る。マーキングの対象物を搬入出するコンベヤーや計量する装置を組みわせるなど、複雑な自動化システムを構築できる。 国内ではインゴット向けの引き合いも多い。マーキングシステム事業部MS営業部の平松輝行次長は「インゴットの生産量が上がり、従来の手作業のマーキングでは間に合わないという現場もある」と説明する。そこでインゴットの研磨と計量、刻印の自動化ラインを設計した。 平松次長は「自動化システムでマーキングした製品を見て、手作業ではないと気付いた別の企業から問い合わせが来ることも。自動化に困っているとの声は多い」と話す。 同社は、幅広いロボットメーカーの製品に対応できる。ファナックや安川電機など6社のロボットでシステムを構築でき、扱えるプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)は三菱電機やオムロン製など。ユーザーの環境や要望に応じて最適な自動化機器を選定する。
個社ではなく協業を
自動化の需要は高まり続けているが、山田社長は「導入するにはロボットにティーチングできる技術者が現場に必要で、そこが難しい」と指摘する。「そうした現場へのサポートが重要。自動化システムに不具合が起きた際はすぐに現場に向かう。ユーザーとの連携を強めていきたい」と語る。 さらに連携という点では、メーカーなど事業者間のネットワークの構築も必要という。測定機メーカーや画像の自動認識の技術を持つ企業と協業していく方針だ。 山田社長は「製品に対するトレーサビリティー(追跡可能性)の重要性が増し、マーキングするだけでなくその刻印した内容をデータとして保存する必要がある。刻印機と検査装置を組み合わせた自動化システムのニーズは高い。測定機メーカーなどと、互いの強みを生かし合える関係を構築したい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 水野敦志)
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