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2022.09.12

連載

[SIerを訪ねてvol.27]設計からAIまで!多彩な技術で自動車産業のニーズに応える/リョーエイ

ロボットシステムの構築を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する連載企画「SIerを訪ねて」。27回目の今回は、自動車産業向けの専用設備やロボットシステムを設計、製作するリョーエイ(愛知県豊田市、杉山正昭代表取締役)を取材した。システムの設計や製造だけではなく、画像処理やモノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)などの多彩な技術を持ち、顧客のさまざまな自動化ニーズにワンストップで対応できるのが強みだ。ダイカスト金型に離型剤を塗布するロボットシステムも独自開発しており、累計で300台以上の納入実績を誇る。

専用設備をオーダーメードで

 リョーエイは、自動車産業の企業城下町として知られる愛知県豊田市に本社を置く。東名高速道路の豊田インターチェンジを下りてすぐの場所に本社工場があり、車でのアクセスが良好だ。本社工場に加え、福岡県苅田町には九州工場もある。海外進出もしており、米国とタイに現地法人を構える。

 同社は主に自動車産業向けの専用設備の開発、設計、製造を手掛ける。ロボットシステムや搬送装置をはじめ、組み付け装置や加工装置、検査装置などをオーダーメードで製作する。取引先にはトヨタ自動車や日産自動車、SUBARU(スバル)、トヨタ紡織、豊田自動織機、アイシン、ジェイテクトといった自動車関連の大手メーカーが名を連ねる。

 また、顧客から預かったダイカスト製品の内部欠陥やガス量を検査する事業も展開する。ダイカストとは溶かした非鉄金属合金を金型に流し込み、圧力をかけて目的の形状を成形する金属鋳造法の一種だ。
 この他、最近は新規事業として医療介護機器の開発にも力を入れている。

特許技術は40件以上

多彩な技術を生かし、顧客のニーズに合ったロボットシステムを製作する

 リョーエイの特徴は機械設計、電気設計、ロボットのティーチング(動作を覚えさせること)、システム制御、製造、ソフトウエア開発、画像処理、IoT、AIなどの多彩な技術を保有していること。専用設備やロボットシステムの企画からアフターサポートまで全て自社で一貫して担えるため、顧客のさまざまな自動化ニーズにワンストップで対応できる。
 西川昌司取締役技術部長は「独自技術が搭載された専用設備を提供して競合との差別化を図るため、画像処理やIoT、AIの専門部署を組織した」と話す。

 また、創業から約50年にわたり、トヨタ自動車をはじめとした自動車産業の顧客に専用設備を納入してきた実績も大きな強みだ。顧客の厳しい要求に応えながら技術力を磨き続けた結果、特許技術の数が今では40件を超えたという。

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