[活躍するロボジョvol.20] 要求される機能を作り続けたい/ソフィックス 田中奈津美さん
こう動くのか
ソフィックスの主な業務内容は、数値制御(NC)制御システムやCAD/CAM/CAEシミュレーションソフト、生産管理システム、画像処理ソフト、計測検査システムなどの受託開発だ。 ロボットメーカーのソフトやアプリの受託開発もしており、納入の際に必要なシステムインテグレートも担当することから、ハードウエア技術に強みを持つSIerとは異なり、ソフト技術を中心としたSIerとの意味で「スマートSIer」を自称する。 システムエンジニアは、開発するシステムの仕様や機能は文面で把握して進めるしかなく、実物で確認しながらというわけにはいかない。ここが新人時代の一番の悩みどころだった。 ある面では今も悩みは変わらない。 「想定している環境や実機の使い方がわからず、文面だけでは本当に欲しい機能が把握しづらい。それを展示会などで答え合わせのように実機を見て、『こう動くのか』と感動しています」と笑う。それゆえ展示会は貴重な機会であり、心がけて足を運び、見て回るという。
「答え合わせ」は続く
現在は工作機械用のアプリ開発がメインの部署に在籍する。 直近ではある工作機械メーカーのアプリ開発を担当する。「機械を見ないと実感できない」との思いは相変わらず強い。 昨年開催の第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)には自社も出展しており、忙しい合間を縫っては少しずつ機械やロボットを見て回り、想像していただけの「動き」を実際の動きとして理解できて感動も多かったという。「自社が出展する展示会では見て回る余裕がないことも多い」と残念そうに話す。 「JIMTOF2022の時点では、年明けの部署異動は知らされていませんでした。決まってなかったのかもしれませんが、教えてもらっておけば何とかしてもっと工作機械を見ておけたのに……」と軽くこぼす場面も。 「機能を作り、オーダーに応えられた時にやりがいを感じる。いまだに『あれで正解だったのかな』とふと考える時や案件もありますが、エンジニアとして、想像力を働かせながら要求される機能を作り続けたいですね」とほほ笑む。 今後も展示会などでの「答え合わせ」は続きそうだ。
(ロボットダイジェスト編集部 芳賀崇)