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2020.03.23

連載

[沖縄ウィークvol.1]ウチナーに来るかロボットの波!? 沖縄の自動化ニーズの今

日本有数のリゾート地として知られる沖縄県。年間の観光客数が1000万人を超え、観光業が盛んな県だが、製造業の現況はどうだろうか。そして、産業用ロボットの需要はどれほどあるだろうか。ロボットダイジェスト編集部は2020年1月27日~29日の3日間、現地のロボット関連企業や自治体関係者、行政関係者などを取材した。本日から1週間、「沖縄ウィーク」として沖縄県の自動化ニーズの今を紹介する。果たして、「ウチナー」こと沖縄県にロボットの波は来るのだろうか――?

年間の観光客数は1000万人超え

2000円札の絵柄にもなった守礼門など、観光地が多い沖縄県

 沖縄方言で「ウチナー」と呼ばれる沖縄県。
 「はいさい」「めんそーれ」など独特の方言を聞くだけで、「旅行に行きたい」と思う読者も多いだろう。

 独自の文化や食べ物、ビーチリゾート、観光名所など、観光地としての魅力に富んでいるのが沖縄県だ。年間の観光客数はおおむね右肩上がりで推移しており、2018年には初めて年間の観光客数が1000万人を超えた。

 観光のイメージが非常に強い沖縄県だが、製造業の視点から見るとどうだろうか。

製造業をひも解く3つのポイント

沖縄県の製造業は100人未満の中小企業が大多数を占める(写真は那覇王冠)

 沖縄県の製造業をひも解くポイントは、次の3つだ。

 ①県内総生産に占める比率が低い
 ②食品関係が多く、従業員数10人未満の企業が多数を占める
 ③労働生産性の低さと市場の小ささ


 まず①だが、沖縄県の産業構造は、サービス業などの第3次産業が圧倒的なウエートを占め、製造業の割合は全国平均と比較しても非常に低いのが特徴だ。
 沖縄県の基幹産業は観光業とIT産業の2つ。観光客が多いだけあり、観光業が県内産業の柱になっている。また、人件費が比較的安く、初期投資も少なくて済むことなどから、IT産業も発展している。
 16年度の県内総生産は第3次産業が83.5%を占めた。製造業はわずか4.5%しかなく、全国平均の約20%の水準からは大きく下回る。

「製造業をいかに成長させるかが重点施策の一つ」と沖縄県の古波蔵寿勝ものづくり振興課長

 ②では、経済産業省の2018年の工業統計によると、沖縄県の製造品出荷額のうち4割近くを食料品関係が占める。また、従業員数が10人未満の企業も全体の約4割で、従業員数100人未満の会社が9割以上だ。

 ③では、総務省統計局が実施した「2016年経済センサス活動調査」によると、沖縄県の労働生産性は全国最下位だった。②と連動するが、食料品関係の企業や経営資源に乏しい小規模な企業が多数を占めることがその要因に挙げられる。沖縄県商工労働部ものづくり振興課の古波蔵(こはぐら)寿勝課長は「手作業が多くなりがちで、労働生産性も全国平均と比べて低い水準にある」と指摘する。
 県内の市場規模が小さいことも、沖縄県の製造業が抱える構造的な課題の一つ。北海道、本州、四国、九州の4島とも離れているため、製品を送るにしても輸送コストがかかる。

 古波蔵課長は「観光業は外部要因に左右されやすいため、わが県では製造業をいかに成長させるかを重点施策の一つに掲げている。だが、わが県では製造業が育ちにくく、厳しい市場環境だ」と分析する。

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