「2024年問題」を見据えた提案続々/第4回関西物流展
省力化で「2024年問題」の解決を提案
伊東電機(兵庫県加西市、伊東徹弥社長)は、モジュール式ローラーコンベヤー「id-PAC(パック)」を組み合わせた大型の搬送路でコンテナを搬送するデモを展示した。「カウントダウン2024年問題 物流をあるべき姿に変える」をテーマにプレゼンテーションも実施した。プレゼンの中で、兵庫県加西市の本社からリモートでデモシステムの搬送経路を指示し、その通りにコンテナを搬送することで、現場の省人化や省力化をPRした。説明員は「省スペースで設置できることに加えて、1時間で約1万5000ケースを搬送できる搬送能力の高さも強み」と語る。 また、新製品の「ヴァーティカルローラーガイド」も出展。壁面にガイドローラーを設置することで、搬送物と壁面との摩擦を抑えて搬送能力が向上する。
MiRのロボットをより扱いやすく
AMRを扱う大喜産業(大阪市西区、森口博之社長)は、デンマークのモバイル・インダストリアル・ロボット(MiR)のAMRに加えて、MiRのAMR用の制御ソフトウエア「MiR外部コントロールアプリ」と、MiRのAMR向けに調整された小型コントローラー「Smart(スマート) PLC for(フォー) MiR」を出展した。 MiR外部コントロールアプリをインストールしたタブレット端末やパソコンと、MiRのAMRをWi-Fi接続し、同ソフトから接続ボタンを押すだけでAMRとの接続が完了する。1クリックで搬送路を決定できるなど、設定を可能な限り簡略化したのが大きな特徴だ。 スマートPLCフォーMiRは、生産設備機械を設計、製作するエフ・アイ・ティ(岐阜県各務原市、古田貴士社長)の小型コントローラー「スマートPLC」をMiRのAMR向けに調整したもの。特別な設定をせずAMRのインターフェースに接続でき、LEDランプやセンサー、アクチュエーターなどをI/O制御できる。戦略推進部大阪ロボット課の薮内紀彦課長は「MiRのAMRは操作するためにプログラミングに関する特別な知識を必要としないのが大きな特長。MiR外部コントロールアプリやスマートPLCフォーMiRを組み合わせれば、扱いやすさに磨きがかかる」と強調する。
搬送対象物の認識やハンドの付け替えを自動化
不二輸送機工業(山口県山陽小野田市、米中郁雄社長)は、パレタイズロボット「フジエース EC-201」とビジョンシステム「FuVIS(ヒュービス)」、中国のビジョンシステムのメーカーMech-Mind(メックマインド)ロボティクスの産業用3Dカメラ「Mech-Eye(メックアイ)」を組み合わせた自動パレタイズシステムを展示。ハンドに搭載した3Dカメラとヒュービスで搬送対象物を認識してピッキングし、かご台車に積載する。メックアイがかご台車に積まれている箱や袋を認識し、最適な搬送経路を計算する。搬送対象物に合わせてハンドを自動で付け替えることもできる。 FMS第一営業部西日本営業課の岩本俊貴課長は「フジエースEC-201は約20年前から販売しているロングセラー機種だが、マイナーチェンジを繰り返して性能を高めている」と話す。
製かんと封かんをロボット1台で完結
ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のiCOM技研(兵庫県小野市、山口知彦社長)は「協働ロボット製函封函システム」を展示。同システムはユニバーサルロボットの協働ロボットと専用のフレームを組み合わせたもので、段ボール箱の製かんと封かんを実演した。設置スペースは荷役台(パレット)1枚分のスペースだけで収まるため、設置スペースに悩む物流現場でも導入しやすい。 営業部の大西諒さんは「1箱の製かんと封かんにかかる時間は2分程度。箱のサイズに合わせて調整できる」と話す。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)
関連記事:[注目製品PickUp!vol.47]物流のフレキシブルで高度な自動化 /EXOTEC「Skypodシステム」 関連記事:第3回関西物流展でPR/オートストアシステム 関連記事:[注目製品PickUp! vol.38]システム立ち上げから稼働までをシンプルに【前編】/伊東電機「id-PAC」 関連記事:ビジョンを活用した協働ロボのティーチレスシステムを開発開始/iCOM技研