[SIerを訪ねてvol.18]生産ライン全体をワンストップで【前編】/津田駒工業
自社工場をショールームに
工作機器事業の各種製品とのシナジー効果が見込めるため、金属加工会社がTRIの主なターゲット顧客にはなるが、ゆくゆくは食品や医療などの他業種も狙う考えだ。 だが、坂井取締役は「外販の実績もあるが、現状は自社工場がTRIの主要顧客」と述べる。 それもそのはずで、TRIの源流は17年から始めた自社工場の改善活動「TAPS」にある。TAPSとは「Tsudakoma Advanced Production System(ツダコマ・アドバンスド・プロダクション・システム)」の略。改善の一環で今までの作業を見直すうちに、ロボットを導入して自動化を進める動きが広がり、TRIの発足に至った。そのため、ロボットシステムの外販だけではなく、自社工場の自動化もTRIの重要な役割だ。
立ち上げ途中のものも含め、自社工場には計5つのロボットシステムを導入した。金属製のワーク(被加工物)を工作機械に供給したり、搬出したりする「脱着作業」などを自動化した。既存のシステムの拡張や新規システムの構築も視野に入れているという。 津田駒工業は自社工場をショールームとして公開し、TRIの認知度向上や受注獲得を目指す。「さまざまなパターンのロボットシステムを実際に見学していただき、外販につなげたい」と坂井取締役は意気込む。 後編では、同社が実際に社内に導入したシステムを紹介する。
――つづく (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
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