2020.07.06
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【特集】[集結! 自動化の最新提案vol.4]自粛明けにロボットメーカーが独自アピール

機内で使うのに必要な機能を/スギノマシン

スギノマシンの「スイングアーム式コラムロボット 防水タイプ」の水平型(上)と垂直形(下)

 不二越やデンソーウェーブのような中型、大型製品の拡充ではなく、コンパクトさを武器にするロボットもある。スギノマシン(富山県魚津市、杉野良暁社長)の「スイングアーム式コラムロボット」は高剛性でコンパクトな特徴を生かし、さまざまな場所での活躍を目指す。新たに防水性を付加したタイプをラインアップに加えた。コラムを垂直にした全軸防水の「垂直形」と水平にした部分防水の「水平形」の2種類を用意する。  同社は、ロボットの他にも工作機械や洗浄機、ロボット用バリ取りアタッチメントなど、自動化に関連した製品を幅広くそろえ、それらを組み合わせた提案に強みを持つ。主力製品の高圧洗浄機や小型工作機械の機内にロボットを設置して搬送を自動化するため、従来のコンパクトさや剛性を損なわず、防水性、メンテナンス性を高めた。また、工作機械と組み合わせての使用を想定するため、工作機械を動かす数値制御(NC)装置でロボットを操作できる。ロボットに不慣れな人でもNC装置を扱えれば操作が可能だ。  工場の規模にかかわらず、自動車や建設、食品、医療など幅広い分野での活用を期待する。特にスペースの限られた現場で力を発揮するという。  今後はモノのインターネット(IoT)機器による状態監視や遠隔操作、作業手順を教えるティーチングの省力化に力を入れる。コラムロボット全体の販売目標は年間で約20台。同社洗浄機とのパッケージ提案で拡販を図る。

複数台を一括管理で変わる現場/セイコーエプソン

複数のロボットを管理できる「エプソンロボット・マネジメント・システム」のイメージ

 ロボットは単体で使うこともあれば、生産ラインに複数台並べて使うこともある。また、新型コロナウイルスの影響で、より少人数での工場運営や、遠隔地からの監視のニーズが増えつつある。  セイコーエプソンは「今後はいかに簡単に立ち上げられるかが顧客の関心事になる」と予想し、ロボット本体ではなく、ロボットを制御するシステムを提案する。  昨年12月、複数のエプソン製ロボットを一括で管理できるロボット管理システム「Epson Robot Management System(エプソンロボット・マネジメント・システム)」を開発した。これまでは、複数台のロボットを1台ずつ個別に監視し、プログラムを設定する必要があった。定期的なバックアップやメンテナンス作業に工数がかかり、トラブル発生時には復旧までに時間や手間がかかった。  同管理システムは、ネットワークに接続したパソコンやタブレット端末で工場内の産業用ロボットの集中監視とロボットの状態データのバックアップ、動作プログラムの更新などを一括でできる。そのため、現場作業の効率化を図れる。

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