[注目製品PickUp!vol.22]自作など新たなロボ需要向け【後編】/オリエンタルモーター「αSTEP AZシリーズ」
オリエンタルモーター(東京都台東区、川人英二社長)の小型モーター「αSTEP(アルファステップ)AZシリーズ」は、自作ロボットなどの需要にも応える製品だ。バッテリーなしで位置情報を保持できる機械式センサーを搭載。オープンループとクローズドループのハイブリッド制御方式のため、高速性や高精度を確保できる。後編では、こうした技術がどのように生まれ、どのように進化してきたのか。またオリエンタルモーターという企業の特徴や戦略とは。これらを通し、αSTEPをより詳しく見ていく。
高性能で豊富なモーター群
ハイブリッド制御方式を採用した小型モーター「αSTEP AZシリーズ」は、モーターの位置を常時監視し、状況に応じて2つの制御を自動で切り替える。通常時はオープンループ制御で指令に同期して駆動し、高応答性を発揮。過負荷時はクローズドループ制御でモーター位置を補正しながら運転を継続できる。
こうした高度なモーター技術を開発したオリエンタルモーターとはどのような企業なのか。
オリエンタルモーターは、モーターの開発、製造、販売を行う。取り扱うモーターの種類は、交流電源に接続するだけで簡単に運転できる動力用のACモーターと、速度制御や位置制御ができる各種制御用モーターがある。制御用モーターには、速度制御に向くブラシレスモーター、位置制御向けのステッピングモーターやサーボモーターがある。αSTEPはステッピングモーターをベースにした製品だ。
この他、モーターと直動機器を組み合わせたアクチュエーターや、送風機構の付いたファンモーターもある。
ロボ向けサービス体制の構築も
顧客の業種は幅広い。医療や食品などのあらゆる産業から、インフラ、アミューズメントまで、あらゆる分野で同社のモーターは使われる。
用途が多様であるため、大量受注だけでなく1台からも対応する。しかもビフォーからアフターまで幅の広いサービス体制を取る。
モーターに関するあらゆる相談を受け、主に顧客企業の研究開発や設計、生産技術部門に向けて技術セミナーを開催し、ユーザーに最適なモーターを提案する。
「メーカーとして顧客に安心感を持ってもらうことが重要であり、そのためのサービス体制を今後も引き続き強化していく」(営業企画部の加藤淑豪主任)
サービス体制の拡充はロボット向けの戦略でも重視している。これまで展開してきたビフォーとアフターのサービスをはじめ、ロボット向けに特化したサービス体制の構築にも取り組む。
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