韓国の大手グループ企業が「スマートビル事業」に挑むワケ/ヒョンデモーターグループRobotics LAB
韓国の大手自動車メーカーを傘下に持つヒョンデモーターグループ。グループの事業は自動車やその部品の製造に加え、建設業や不動産管理など多岐にわたるが、近年はロボティクス事業の拡大に戦略的に取り組む。特に、自動車で培った高度な技術を応用した搬送ロボットなど、多様な自動化ソリューションを開発する中、事業成長の原動力の一環として「スマートビル事業」に力を入れる。スマートビル事業に対する、Robotics LABの狙いと戦略に迫る。
本社ビルを実証の場に
ビル内では3種類の移動型ロボットが稼働する。そのうち「DAL-e GARDENER(ダリガーデナー)」は、オフィス内の植栽の管理を自動化する。所定の時間になると待機場所から動き出し、LiDAR(ライダー)センサーとカメラで周囲を認識しながら、植栽の前に向かう。搭載するカメラで植物や土の状態をチェックし、乾いていれば本体に格納してあるロボットアームを伸ばして先端から散水する。1階のロビー各所にある植栽を回り終えると、元の場所まで戻り、次の稼働時間を待つ。
従来のタイマー式スプリンクラーのような、シンプルな自動水やり装置と比べ、植物や土の状態に合わせた最適な水やりをできるのがメリットという。
他には警備ロボット「防犯用SPOT(スポット)」と、オフィス内のコーヒーショップから飲食物を運ぶ配送ロボット「DAL-e Delivery(ダリデリバリー)」が稼働する。
いずれも、同グループの研究開発組織であるRobotics LAB(ロボティクスラボ)で独自開発した。これらがビル内のエレベーターや顔認識システムなどと高度に連携し、従業員の業務効率と職場環境の快適さの向上などを実現する。
ヒョンデモーターグループではこれを「スマートビル事業」と呼び、Robotics LABがその実用化に向けた技術開発を主導する。ロボティクスビジネス3チームの沈秀敏(シム・スーミン)チーム長は「本社ビルが巨大な実証空間。ロボットの導入を通じてビルの運営、維持管理コストをどこまで効率化し、削減できるか、その可能性を綿密に検証している」と語る。

