• インタビュー
2025.12.02
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RTJ出展者インタビューVol.1~Vol.3/豊電子工業、ハーモニック・ドライブ・システムズ、DOBOT JAPAN

2026年6月11日~13日の3日間、愛知県常滑市の展示会場「アイチ・スカイ・エキスポ」で「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2026」が開催される。RTJ2026公式サイトでは出展者に出展のきっかけや意気込みを聞く「出展者インタビュー」を連載中だ。公式メディアである「robot digest(ロボットダイジェスト)」でも、2回にわたり5社による出展者インタビューを再編集して公開する。今回は豊電子工業(愛知県刈谷市、盛田高史社長)、ハーモニック・ドライブ・システムズ、DOBOT JAPAN(ドゥーボットジャパン、東京都港区、テイ・セイ社長)の3社を取り上げる。

中部から世界に向けて自社技術を発信

豊電子工業

盛田 高史 社長

 

――会社概要を教えてください。

 わが社は自動車産業向けのロボットシステムの構築を得意とするシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)です。1980年にSIer事業に進出して以来、世界40カ国・地域のお客さまに2万以上のロボットシステムを納入してきました。40年以上にわたって蓄積した技術力やノウハウが強みです。

 

――RTJ2026に出展を決めた経緯を教えてください。

 中部地区から世界に向け、わが社の高度なロボットシステムや要素技術を発信できる良い機会だと考えたからです。RTJは産業用ロボットや自動化システムに特化しており、しかも中部国際空港(セントレア)近くの展示会場で開催されます。そのため、国内だけではなく、海外からの来場も期待できます。

RTJ2024の産業用ロボット体験ゾーンで展示した「習字ロボット」

――前回開催のRTJ2024に出展しました。その反響はいかがでしたか。

 RTJが開催される中部地区は自動車産業の一大集積地ですから、わが社の主要なお客さまも気軽に足を運びやすいです。経営層からエンジニアまで、さまざまなお客さまに来場していただきました。ブースでは計5台のロボットを使用し、アルミダイカスト製のケースのバリ取りやねじ締め、ねじバラシの作業を完全自動化するラインを展示しました。また、フランスに本社を置く3DCADソフトウエアメーカーのダッソー・システムズの「バーチャルツイン技術」を活用し、仮想空間にも同様のラインを再現しました。現実空間と仮想空間のラインが連動している様子も紹介し、多くの来場者の関心を集めることができました。

 

――RTJ2024では主催企画展示にもご協力いただきました。

 RTJ2024では、主催者であるニュースダイジェスト社が企画展示「産業用ロボット体験ゾーン」を会場内に設けました。わが社も「中部地域SIer連携会」の会員として協力し、協働ロボットのダイレクトティーチング機能を活用した「習字ロボット」を出展しました。多くの子どもたちに習字ロボットを楽しんでもらえたのが印象的でした。RTJはビジネスショーとしても有効ですし、将来を担う子どもたちにロボットの魅力を発信する場としても大きな役割を果たしていると感じます。

新たな接点のきっかけに

ハーモニック・ドライブ・システムズ

マーケティング・営業担当兼国内営業本部長

白澤 直巳 執行役員

 

――会社概要を教えてください。

 わが社は減速機やそれを応用したメカトロニクス製品を製造しています。創業以来50年にわたる技術の蓄積を強みに、産業用ロボットや半導体製造装置関連など幅広い事業分野のお客さまに向けて製品を販売しています。中でも、小型で軽量、高精度が強みの波動歯車装置「ハーモニックドライブ」減速機はさまざまな製造現場で活躍する産業用ロボットに導入実績があります。

 

――RTJ2024に出展した時の反響はいかがでしたか。

 RTJ2024では会場内のイベントホールでSMC、THKと共に「3社メカトロニクス連携ビジネス交流会」を開催しました。3社とも産業用ロボットやロボットハンドなどに使われる要素部品を手掛けている共通点があり、その製品ユーザーの皆さまが参加されました。交流会を経て、今までわが社と接点がなかったお客さまから工場見学を希望する申し入れが多数ありました。産業用ロボット分野ではわが社をご存知の企業は多いですが、同じ自動化設備でも自動機や省力機分野での知名度はまだまだです。交流会はわが社の取り組みを広く認知していただくきっかけになりました。

RTJ2024では超軽量・扁平(へんぺい)ユニット「CSF-ULWシリーズ」や、同製品を使った多関節ロボットを展示

――RTJ2026に出展を決めた経緯を教えてください。

 RTJ2024で多くのお客さまにブースに立ち寄っていただいたことで、中部地区にはロボットに関心を持つ方が想像以上にいらっしゃると分かったからです。近年は半導体産業の進展に伴い、クリーンルームの環境汚染を防ぐためにロボットを活用する事例が増えています。加えて、北米や中国を中心にヒューマノイド(ヒト型ロボット)の製品開発が進んでおり、ロボット産業への注目度は年々高まっています。日本もヒューマノイド開発のベースとなる技術を持っているため、今後は国内でも開発の動きが盛んになるでしょう。わが社は減速機の供給という形で新しい技術の発展に貢献していきたいと考えています。

 

――RTJ2026の展示コンセプトの構想はありますか。

 世界的にヒューマノイドへの関心が高まっているため、それに関連した製品の提案にも力を入れます。ヒューマノイドは一般的な多関節ロボットと違い、手や指、足などを含めて最大30~40軸ほどの関節軸があります。そのため減速機にはより小型化と軽量化が求められます。わが社のブースでは自社の強みを生かしたラインアップに加えて、ヒューマノイド向けの減速機もPRしたいです。

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