生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2025.05.19

[ショールーム探訪vol.37]工程間搬送に多種多様な搬送ロボットを提案/日伝「&N LABO OSAKA EAST2 SITE」

日伝は昨年12月、「&N LABO OSAKA EAST2 SITE(アンドエヌ・ラボ・オーサカ・イースト2サイト)」をオープンした。工程間搬送の自動化提案をテーマに、さまざまな誘導方式の自律走行型搬送ロボット(AMR)や無人搬送車(AGV)を展示する。AMRの構成部品を展示するコーナーも用意し、顧客の要望をもとにAMRの開発ができる共創の場としても活用する。

さまざまな搬送ロボを一堂に

傾斜や段差を付けた試走路をショールーム内に設ける

 大阪府東大阪市といえば関西屈指の製造業の集積地として広く知られており、2022年にNHK総合で放送された朝の連続テレビ小説「舞い上がれ!」の舞台となったのは記憶に新しい。また、東大阪市にはラグビーの聖地と呼ばれる東大阪市花園ラグビー場があり、「ラグビーのまち」としても高い知名度を誇る。東大阪市花園ラグビー場と目と鼻の先に、日伝はアンドエヌ・ラボ・オーサカ・イースト2サイトを構える。

 同施設は工程間搬送の自動化をテーマに据え、AMRを中心に展示する。展示エリアは「デモゾーン」と「ラボゾーン」の2つに分かれる。デモゾーンは展示機が稼働する様子を間近で見ることができ、取材時には5社7台のAMR・AGVが展示されていた。傾斜のあるスロープや段差を組み込んだ走路があり、展示機を実際に試走させることができる。

ローラーコンベヤーからAMRに荷物を載せて運ぶデモ

 展示機の誘導方式は①「サインポスト」と呼ばれる目印をカメラで認識して動作するサインポスト誘導式②レーザーの反射光で障害物との距離を測定する「LiDAR SLAM(ライダースラム)」③床面の反射テープに沿って走行する「ライントレース」④カメラで認識した床面の特徴から位置を判別して走行ルートを生成する「Floor SLAM(フロアスラム)」――とそれぞれ異なる。「当社は商社のためメーカーに縛られることなく顧客に提案できる」と西部MEシステム本部の牛田一平専門部長は話す。

タグロスを使えば重量物も軽々と運べるようになった

 AGVやAMRに加えて、運搬作業の省力化の提案として搬送アシストロボット「TugRos(タグロス)」も展示する。同製品は日伝が昨年12月に、エネルギー関連機械を開発、製造するTBグローバルテクノロジーズ(東京都中央区、ローラン・ポワドヴァン社長)から販売事業を譲り受けた。
 自動搬送機能は持たないが、本体前面のハンドルを持って引っ張るだけで重量物も難なく運べるようになる。AMRにけん引させることも可能だ。重量物が積まれたタグロスのハンドルを記者が実際に引っ張ってみたら、重さを感じることなくたやすく運ぶことができた。

TOP