生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.03.30

イベント

食品業界向け技術展でロボットによる自動化を提案/フードテックジャパン大阪

食品製造業向けに先端テクノロジーを提案する展示会「第2回フードテックジャパン大阪」が3月8~10日の3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪で開催された。化粧品や医薬品の研究・製造展「第9回インターフェックスWeek(ウィーク)大阪」や「第9回再生医療EXPO(エキスポ)」と合わせ、3日間合計で約1万600人が来場した。ロボットによる自動化を提案する企業もあり、現場の人材不足に悩む来場者からの注目を集めた。

作業者への負担が大きい食器洗浄を自動化/中西製作所

中西製作所が展示した「省人化食器洗浄システム」

 最大規模の小間で出展した業務用厨房機器メーカーの中西製作所は、「省人化食器洗浄システム」を展示した。
 食器を洗浄する自動化システムで、会場では学校や福祉施設で使われる食器の洗浄や片付けのデモを披露した。洗浄機で食器にファインバブル水を充填(じゅうてん)して汚れを浮かし、食器を裏返して洗浄する。洗浄した食器は、垂直多関節ロボットが真空吸着ハンドでピッキングしてトレイに仕分ける。
 営業企画部の森栄二部長は「食器の洗浄や仕分けは、作業者への肉体的負担や心理的負担がとても大きく、現場は常に人手不足に苦しんでいる。省人化食器洗浄システムは、この課題を解決するための一助になる」と強調する。

形状が複雑な折り畳みコンテナを自動洗浄/ショウワ

折り畳みコンテナ専用のハンドでコンテナを持ち上げて開く

 業務用洗浄機メーカーのショウワ(兵庫県尼崎市、藤村俊秀社長)は、折り畳みコンテナを自動で洗浄する自動化システム「無人ロボット型オリコン洗浄ライン」を出展。
 川崎重工業の垂直多関節ロボットが、畳まれた状態の折り畳みコンテナを持ち上げて開き、洗浄機に続くコンベヤーに置く。コンテナを洗浄機で洗浄した後、遠心脱水機で乾燥する。複雑な形状の折り畳みコンテナをロボットだけで自動で開けられるのが特徴だ。
 営業部の前田宏幸部長は「従来、折り畳みコンテナ用の洗浄ラインの設置には30㎡は必要だったが、その3分の1程度に抑えた」と話す。

ロボットが段ボールを自動で開梱/山科精機・エヌテック

システム上部の3Dビジョンセンサーで箱のサイズを認識する

 工作機械や産業機械、食品機械メーカーの山科精機(滋賀県栗東市、大日陽一郎社長)のブース内では、搬送システムや検査装置などを開発するエヌテック(岐阜県養老町、小林裕幸社長)が「段ボール開梱装置」を展示した。垂直多関節ロボットの先端に付けたカッターで段ボール箱を開梱する。システム上部に設置した3Dビジョンセンサーで箱のサイズを認識するため、ティーチングの手間がかからない。
 同社の営業部営業課営業係の絹川浩平係長は「カッターは回転式のため、切断時に発生する粉の飛散を少なくできる」という。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

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