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2021.05.24

[特集FOOMA JAPAN2021 vol.3] アジア最大級の食品機械展、6月1日から愛知で開催

緊急事態宣言の解除予定日の翌日、6月1日から4日間、愛知県常滑市のアイチ・スカイ・エキスポ(愛知県国際展示場)でアジア最大級の食品機械の展示会「FOOMA JAPAN(国際食品工業展)2021」が開催される。同展は今回で44回目を迎えるが、愛知県で開催するのは初めてだ。会場の全館となる約6万㎡を使用し、「発想力が食の未来を変えていく。」をテーマに食品機械の最新技術や製品、サービスを提案する。ここでは、展示会概要や展示分野、新型コロナウイルス感染症の防止対策などの情報をまとめて紹介する。

愛知で初開催

FOOMA JAPAN 2021の公式ポスター。今回展のテーマは「発想力が食の未来を変えていく。」

 FOOMA JAPAN 2021が6月1日から4日までの4日間、愛知県常滑市のアイチ・スカイ・エキスポで開かれる。
 
 年に一度開催されてきた同展だが、2020年展は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった。2年ぶりとなる今回展の開催地は愛知県。愛知での開催は今回が初となる。

 今回展では「発想力が食の未来を変えていく。」をテーマに、各出展者は食品機械の最新技術や製品を披露する。

 会場となるアイチ・スカイ・エキスポは、中部国際空港がある愛知県常滑市のセントレア島に、2019年に新設された展示会場だ。
 中部国際空港から徒歩5分の立地で、飛行機ならば全国各地からアクセスしやすい。電車でも、名古屋駅から名鉄空港特急を使えば、約30分で到着する。
 
 さらに会場には、自動車約3400台分の駐車場がある。来場者は飛行機、電車、自動車のいずれの交通手段でも会場へアクセスしやすいのが特徴だ。

 同会場は、AからFまでの6つの展示ホールを備えるが、今回展では全ての展示ホールを使用し、約6万平方メートルの展示面積を確保した。

徹底した感染症対策を

会場内の換気や入口での検温の実施などコロナ対策を徹底する

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、政府は愛知県に5月12日から31日まで緊急事態宣言を発令した。
 
 開催できるか心配されていた同展だが、会期は緊急事態宣言明けであるため、感染症対策を徹底した上で予定通り開催する計画だ(5月24日時点)。

 コロナ禍でも安全に開催するため、会場ではさまざまな感染症対策を実施する。

 具体的には、来場者・出展者問わず全ての参加者にマスク着用やアルコール消毒を徹底する他、会場内の換気や入口での検温を実施する。また、出展者と運営スタッフは、会期の2週間前から健康状態をウェブ上で申告するなど、主催者と出展者が一体となって感染症対策に努める。

幅広い展示分野、注目はロボット

東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された19年展の様子

 FOOMA JAPANは、アジア最大級の食品機械の展示会だ。出展分野は、原料処理から、食品製造や加工、鮮度管理、包装、搬送まで食品製造の一連の工程をカバーする19分野で構成され、幅広い分野の製品や技術が一堂に会する。

 中でも注目すべきは、前回展から新たに出展分野に加わった「エンジニアリング・ロボット・IoT」だ。

 人手不足が問題となる食品業界では、食品製造の自動化のニーズが高まっており、今回展では産業用ロボットや安全柵が要らない協働ロボットなどを使った食品製造の自動化提案が見どころの一つと言えそうだ。
 
 主催者が事前に発表した情報によると、会場の入り口に一番近い「ホールA」に、ロボット関連の展示を集中させるという。このことからもロボットによる自動化への注目度の高さが伺える。

アールティはのり巻きを作る人型協働ロボット「Foodly(フードリー) スズモコラボモデル」を披露する

 では、各社は一体どのようなロボット関連製品を披露するのだろうか。ここで少しだけ紹介したい。

 アールティ(小間番号=A-226、東京都千代田区、中川友紀子社長)は、寿司作りロボットを開発する鈴茂器工(東京都練馬区、鈴木美奈子社長)と共同開発したのり巻きを作る人型協働ロボット「Foodly(フードリー) スズモコラボモデル」を披露する。これまでは手作業だったのりのセットや具材の供給、機械操作をフードリーが担当し、のり巻きの製造を自動化した。

 産業用ロボットや工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)機器の専門商社のダイドー(小間番号=A-332、名古屋市中村区、山田貞夫社長)は、「食品と協働ロボット」をテーマに、食品業界での協働ロボットの活用法を提案する。協働ロボットを使った、ドリンク配膳のデモンストレーションやカップサラダの製作を披露する。

 食肉スライサーなどの食品加工機を開発、製造するなんつね(小間番号=D-211、大阪府藤井寺市、南常之社長)は、2台のカメラとロボットハンドを搭載した、スライス肉をトレイに自動で盛り付けるロボットCM-230「スコーピオン」を展示する。

 当サイトを運営するニュースダイジェスト社(小間番号=B-345、名古屋市千種区、樋口八郎社長)も出展する。「robot digest(ロボットダイジェスト)」や、来年の7月上旬にアイチ・スカイ・エキスポで開かれる「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN (ロボットテクノロジージャパン)2022」をPRする。

 ロボットダイジェストでは複数の記者を会場に派遣し、記者が会場を歩き回って取材した最新トレンドリポートを会期中や会期後に掲載する。

(ロボットダイジェスト編集部 鷲見咲美)


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