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2018.11.09

イベント

製造業の集積地で、協働ロボや新規参入に人だかり

産業用ロボットとはどんな物なのか――。実際にこの目で確かめよう、できれば実際に操作もしてみようと、名古屋市港区のポートメッセなごやで9月に開かれた「名古屋ロボデックス‐ロボット開発・活用展」に出かけた。展示会リポートの前編「産業用ロボットってどう使う?記者が実際にやってみた」では川崎重工業が展示した、宇宙船のコックピットのような場所での塗装ロボットの操作などを体験リポートした。後編では会場で見つけた、注目すべきその他の展示を取り上げる。

触れたら瞬時に動きを止める

安川電機のモートマン‐HC10DT。触れたら瞬時に動きを止める

 安川電機は協働ロボット「MOTOMAN(モートマン)-HC10DT」を出展した。
 ロボットアームをつかんで動かしながら動作を覚えさせる「ダイレクトティーチ機能」で、ロボットの操作に不慣れな人でも直感的に扱えるのが特徴だ。
 安全柵は要らず、小型で運びやすいため、場所を移動させてどこでも使える。

 会場ではゆっくりとした動作で実演したが、もちろんスピードは変えられる。
人がロボットに触れた場合は、その場で瞬時に動きを止める。近い将来はこうしたロボットが自分の隣で作業をしている事に、何の不思議もなくなるのだろう。

ユニバーサルロボットのブロック玩具を組み立てる展示

 デンマークのロボットメーカー・ユニバーサルロボットは主力の協働ロボットの最新型「eシリーズ」を披露した。ロボットの先端に力覚(フォース)トルクセンサーを内蔵したことで精度と感度を高めた。

 ロボットの周りに安全柵はない。記者がロボットの動きを手で止めると停止、ロボットのアーム部分を手で押し戻すとゆっくりと戻る。
 実際に触れてもらい、ロボットの安全性をPRした。
 会場ではブロック玩具の組み立てと分解も披露し、組み立てる時にブロックを押し込む、微妙な力加減をアピールした。

あのメーカーの創業者が設立

 米国のロボットメーカー・リシンクロボティクスの協働ロボット「sawyer(ソーヤー)」に目を引かれた。

 赤くスリムなボディーは美しく、ロボット上部の小型ディスプレーにはまゆ毛と目を映し出し、愛くるしさも感じさせる。ロボットは武骨とのイメージがひっくり返った。

 リシンクロボティクスは米国マサチューセッツ工科大学コンピューター科学・人工知能研究所の元所長ロドニー・ブルックス博士によって設立された会社だ。ブルックス博士はロボット掃除機で知られるアイロボットの創業者でもある。
 
 7軸ロボットは安川電機やユニバーサルロボットと同様に、人がアームを直接動かすことでロボットに動きを教えられる。
 説明員は「従来のロボットとは一線を画す」とPRする。

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