[注目製品PickUp! vol.8]速くて、コンパクトで、おしゃれなロボット【後編】/不二越「MZシリーズ」
営業やサービス・開発要員も増員
デザインも刷新し、13年9月に満を持してMZ07を発売した。その後、翌14年12月には可搬質量4kgの「MZ04」、18年1月には同12kgの「MZ12」、そして19年1月には同1kgの「MZ01」を市場投入し、ラインアップの拡充を図った。 MZ07の発売から5年以上が経ったが、「自動車一本ではなく、幅広い顧客も獲得する」との当初の狙い通り、電機・電子分野を中心に販売は着実に伸びている。 赤川執行役員は「数量ベースでは、スマートフォン関連のEMS向けなど電機・電子分野が圧倒的に多い。また、自動車部品メーカーにも数多くの導入実績がある。国内で言えば、当社と今まで接点がなかった顧客にも幅広く使われる」と話す。 MZシリーズがターゲットに見据える市場は電子機器や自動車部品、一般産業機械、食品、化学産業など幅広い。 そのため、さまざまな顧客に営業やサービスを提供する体制を整えるべく、同社はMZシリーズの開発を機に営業やサービス担当の増員にも取り組んだ。 一方、顧客のさまざまなニーズに対応するため、開発体制の強化も進める。17年には、これまで富山に集中していた開発拠点の一部を東京に移管。「ロボットR&Dセンター」として、ロボットの使い勝手を向上するシステムやアプリケーションの開発にも力を入れている。
搬送だけではなく付加価値も
MZシリーズは現在、12kg以下の可搬質量に対応する。 赤川執行役員は「今後は12kg以下の軽可搬だけでなく、中可搬クラスまでをカバーしたい」と語る。将来は、12kg以上の可搬質量を持つ中可搬クラスのロボットもラインアップに加えるという。 赤川執行役員は「MZシリーズに限らず、これからのロボットに求められるのは、単純に材料を運ぶだけではなく、組み立てや加工などで材料に何らかの付加価値を与えること」と見据える。 その一環で、17年10月に名古屋市で開かれた工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2017」では、MZ07で材料を運ぶだけではなく、材料を持ったまま穴開け加工などができる新機軸のロボット加工センター「MZ07-DC」を参考出品した。 「今後もMZ07-DCのようなイメージで、材料に何らかの付加価値を与えることができる製品を開発したい」と赤川執行役員は意気込む。
――終わり (ロボットダイジェスト編集部)
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