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2022.06.07

連載

[ショールーム探訪vol.6]アーク溶接だけじゃない!【前編】/ダイヘン「六甲事業所」

2つのショールーム

左からFAロボット事業部の柳川剛三企画課長、広田周吾技術部長、技術部の中本淳一技術営業課長補佐、技術部の吉野貴統さん。モニターには小社を歓迎する表示が。

 同社の六甲事業所には2つのショールームがある。1つは、六甲事業所の建物内にある「テクニカルセンター」だ。テクニカルセンターでは、アーク溶接に関連するロボットシステムを展示する。もう1つは、ロボットの生産工場内にある「六甲ハンドリングデモルーム」だ。こちらでは、アーク溶接以外の分野のロボットシステムを展示する。

 六甲ハンドリングデモルームに案内してもらうと、4台のロボットが出迎えてくれた。こちらのエリアでは「高速シーリングロボットシステム」とレーザースポット溶接ロボットシステム「レーザシームステッパー」、「切削・研磨用ロボットシステム」、「ピッキング・仕分けロボットシステム」を展示する。

ハンドリング≠つかんで移動…?

見る見るうちにダイヘンのロゴマークが描き上げられていく

 ハンドリングロボットとは、ロボットが対象物をつかんで移動させるロボットのことを指す。しかし、同社はハンドリングロボットをアーク溶接以外の作業をするロボットの総称として定義する。六甲ハンドリングデモルームでは、多様なロボットシステムを展示しており、FAロボット事業部技術部技術営業課の吉野貴統さんが各システムを紹介してくれた。

 高速シーリングロボットシステムは、サーボ制御ディスペンサーによるきめ細やかな塗布量制御が強みだ。ロボットの移動速度に合わせて塗布量を自動で調整する。
 デモシステムではダイヘンのロゴマーク「DAIHEN」の文字をシーリングで塗布する。吉野さんが「塗布量の自動制御で、コーナー部分でも直線部分と変わらない塗布量でシーリングができる」と語る通り、コーナー部分でもシール材の盛り上がりは見られなかった。

溶接跡が線の形状になっているのが分かる

 その隣には、レーザースポット溶接ロボットシステムのレーザシームステッパーをデモ展示する。レーザースポット溶接は抵抗スポット溶接に代わる溶接ツールだ。
 デモシステムでは板材に対して、レーザースポット溶接をする様子が見られる。点で溶接するのでなく線で溶接するため、従来と比べて溶接強度を高められる。

 後編では六甲ハンドリングデモルームにある他のデモシステムに加えて、アーク溶接に関するロボットを展示するテクニカルセンターを紹介する。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

施設概要
名称:ダイヘン六甲事業所
所在地:神戸市東灘区向洋町西4-1
予約連絡先:078-277-3475または問い合わせページから

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