[注目製品PickUp! vol.8]速くて、コンパクトで、おしゃれなロボット【前編】/不二越「MZシリーズ」
中空手首で配線を収納
MZシリーズの大きな特徴は動作スピードの速さ。ロボットアームの軽量化と独自の制御技術で高速動作を実現した。赤川執行役員は「MZ07を出した当時は世界最速だった。今でもその速さは世界最高水準」と強調する。 例えば、可搬質量7kgのMZ07は1kgの負荷与えた場合、幅300mm、高さ25mmの往復動作をわずか0.31秒でこなす。下の動画の14秒以降のデモを見ると、左右にビュンビュンと素早く動いているのが分かる。 また、ロボットアームの先端も注目ポイントだ。手首と呼ばれるロボットアームの先端部分を中空にし、その中にハンド用の配線などを収納する構造を採用した。 ロボットは通常、ハンド用の配線などが外に出ていることが多い。この場合、外に出た配線が機械設備や周辺装置に引っ掛かり、思わぬトラブルを生む恐れがある。 一方、MZシリーズは手首を中空にし、配線が外に出ない構造にしたことで、こうしたトラブルを回避できる。また、従来では配線が引っ掛かり入り込めなかった狭い間口にも簡単に進入でき、より柔軟な使い方ができる。
MZ07はA4、MZ04はA5サイズ
MZシリーズは床置きや天吊り、壁掛けなどあらゆる姿勢に対応し、据え付けの自由度が高い。 加えて、省スペースでコンパクトな設計なのも売りだ。MZ07の設置面積はA4用紙サイズより小さく、MZ04もA5用紙サイズ程度。限られたスペースでも設置しやすい。 また、省スペースを実現するオプションとして、ロボットの土台の下から配線を接続する「ケーブル底面引き出し」も用意する。 通常は、据え付け時に土台の後方から配線をつなぐため、配線用のスペースがロボット本体のスペースとは別に要る。だが、このオプションを搭載すれば、配線用スペースが不要になり、設置面積を最小化できる。 ロボット本体だけではなく、ロボットを制御するためのコントローラーも新たに開発した。MZシリーズ専用の小型コントローラー「CFD」は横幅が369mmで、ロボットの架台(設置するための台)にも簡単に収納できる。